梅雨入りで雨模様が続く予報があった中での会葬となりましたが 晴れ女の面目躍如たるものなのでしょうか 空は見事に晴れ渡り 夏空の下で会葬を行う事が出来ました
昨年秋口から発熱などで体調を崩すことが多くなりまして それからは訪問診療や訪問看護のサービスも利用しながら 少しでも長く健康でいてくれるように 介助や見守りを続けてきました しかし老衰により心不全の症状が悪化していき 今年の三月三日を境に完全な寝たきり状態となりました 点滴が出来ない為に 吸い飲み器で誤嚥せぬ様ゆっくりと水分を口から与えることしかできなくなりました そんな家族の無念さや不安は 母が時間を掛けて癒やしてくれたように思います 以後三ヶ月の間 苦しむ素振りは一度もなく 清拭などの介助も効いたのか床擦れなどが悪化することもなく穏やかに生き続けてくれました
亡くなる一週間前から咽下することが難しくなって スポンジで口元を濡らすことしかできなくなりました そんな風にして命が尽きていく姿をゆっくりとしっかりと私たち家族に見せてくれました
そして令和七年六月十四日早朝二時十五分ごろ 水滴が落ちるようにスッと自ら目を閉じ逝きました 享年百一歳の生涯を閉じました
寝たきりになるまでは 如何にかこうにか 椅子に座って食事を食べさせたり テレビを一緒に見る事も出来ました 訪問看護師は母が背もたれに寄りかからず背筋を伸ばして座る姿勢のあまりの良さにいつも感心していました 昨年の秋口のことですが 診療所でレントゲン写真を取った際 母はひとりで感光版を背にして丸椅子に座ったのですが その姿を見ていた看護師たちが 「お地蔵さま」みたいと愛おしく話していたことを思い出します
母の口癖は「呆けても呆けてもいんだから」でした
認知症状が進み 自分がどこにいるのか 回りの者は誰なのか 分からなくなり始めた時は 不安を口にすることもありました でもこの言葉が口癖となってからは 不安な心も安らいだように思います
じゃんけんをすれば後出しで「勝った」とうそぶき 指を折っての足し算には一生懸命考えて答えてくれました 最後の最後まで家族を楽しませてくれた母でした
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