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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2010年11月11日木曜日

クリスマス絵本『ポーラーエクスプレス』の朗読ビデオをYouTubeにアップしました。

初めに、
本日11/11、10日振りの投稿となります。暫く調子を崩していました。先週末は、鹿島中野球部の練習試合が土・日、両日で4チームを迎えて行われましたが、大好きな野球観戦も写真撮影も休みました。漸く調子が戻ってきました。
野球部員のお父さんで、写真撮影の相棒(元ラガーマンのサユリスト)も体調を崩されているとの事、共に調子を戻して、今週末に行われる『中上雅文記念 第12回高砂市招待中学校軟式野球交流会』でお会いしたいと思います。

では本題に入ります。m(__)m

先日、中古書店で、絵本『The Polar Express - 急行「北極号」 -』を見つけました。
『ポーラーエクスプレス』といえば、最初に、2004年公開の、ロバート・ゼメキス監督そしてトム・ハンクス(CGキャラクターと声)出演のCGアニメーション『ポーラーエクスプレス』を思い出します。
この映画の原作が、この絵本です。
1985年に、クリス・ヴァン・オールズバーグさんが創作された絵童話です。日本では、翻訳者が村上春樹さん、また映画公開などもあって、ある時期、多くの方が読まれた事と思います。

最近というか、以前から感じていた事ですが、書籍、絵本、映画、音楽等々、近年その発表される作品数は膨大で、しかし一部の話題を獲得したコンテンツ(商品)のみが、短期的に話題を独占し、その他の大多数は、記憶に残ればよい方で、遺産にもならず、過去の大量の記録物の中に消えていきます。

この『ポーラーエクスプレス』、発売当初は全く感心無く、映画もそして絵本にもタッチしませんでした。でもどうでしょう、現在、新刊書店に置いてあるでしょうか。
一時期、ベストセラーとなった作品は、その凋落振りも甚だしいです。

話はそれますが、
新刊書店に行けば、新刊書籍が大量に並べられ、書店側も様々な戦略を講じて、本をどうにかして売ろうしています。
ですが、新刊(新刊は単行本で値段が高い)は、少ない情報(新聞や雑誌の書評)しかなく、これまでの自身の作家や過去作品に触れた経験・感想を踏まえて、購入するか否か判断します。(まぁそれ以上に、財布の中身とまず相談なのですが)そして、当たり外れが大きいという難があります。
しかし、過去作品、文豪作品は、私にとっては宝石の山(というより知識の泉)です。未読作品は膨大です。また、読み継がれ、語り継がれた作品は十分に批評されていて、当たり外れがありません。しかし、そういった作品を新刊書店で見つけるのは至難です。売れ筋と書棚スペースの兼ね合い、書店側の販売方針が蔵書目録に色濃く出ます。
そういう時、Book-off等の中古書店です。中古店は、様々なジャンル、また様々な刊行時期の作品が置かれています。ですから、思わぬ作品に出会える楽しさがあります。また新刊よりも圧倒的に安い。一種、宝探しの趣向があります。

さて、『ポーラーエクスプレス』、約15分くらいで作者の創作世界を堪能しました。
物語は・・・
あるクリスマスイブの夜、自宅の前に汽車が停車し、僕はサンタクロースの町、地上で最も北にある町に汽車に乗って旅をし、その町でサンタクロースからサンタのソリについた銀の鈴をクリスマスプレゼントとして貰います。それは、僕が1番欲しかったプレゼントです。
ですが、帰りの車中で、無くした事に気付き落胆しますが、翌朝、クリスマスの日、プレゼントの中に、サンタからのプレゼントとして銀の鈴が届きます。
その鈴の音は、これまで耳にした事がない素敵な音色でした。
ですが、その音色は、何故かお父さんお母さんには、沈黙としか伝わらない不思議さがありました。
時が経ち、僕は大人になりました。昔、一緒にサンタの鈴の音を楽しんだ、妹や友だちには、もう沈黙の鈴になりました、しかし僕は聞こえる、サンタを、夢を心から信じているから・・・

という行の物語です。

信じればいつもそこにあり、信じればいつも叶う、夢心地の子どもの呪文の様ですが、この気持ちをいつまでも持ち続ける事が、本当に大切な事なのだと思います。
この思いは、純真さや優しさ、畏れといった心から生まれるものです。
恐れを知らぬ、恐れを忘れる、恐れを伏せる、それが大人なのでしょうか、と作者は子どもたちに問いかけている、そう感じました。私もその疑問に常々感じている者の一人であります。

人は、これまでの数千年間で文明を興し、科学や技術を発展させてきました。でもそれは、海岸の砂浜に子どもが作った砂の城と同じであると気付くべきです。
打ち寄せる波を避けて築いたつもりでも、いつか予想もしない波に崩され、流されます。
私達は、そういう大いなる自然、この世界を司る大なる存在を畏れ、また感謝しつつ日々を送る、今では過去となった精神性の高い生活に立ち戻る時なのではないかと思っています。

投稿した、朗読『The Polar Express - 急行「北極号」 -』どうぞ、ご鑑賞下さい。
バックミュージックは、これも20数年前、ワゴンセールで買ったクリスマスソングCD(輸入版)の曲です。余り日本には馴染みのない楽器で演奏されていて、どの曲も大好きです。私にとって貴重な音楽です。