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差別の天秤

「愛を読む人」という約10年前公開の映画の、他の方が書いた映画評を読みました。 そこには私が考え及ばなかった、ハンナが隠し通した秘密についての考察が書かれいました。ハンナは文盲でした。そして、その事実を生涯隠し通しました。それは何故かです。 映画か原作小説の序章で、ハンナの...

2017年3月19日日曜日

「騎士団長殺し」は、村上春樹版「不思議の国のアリス」かな

村上春樹「記事団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編」読み終えました。

印象的なフレーズが二つありました
「いろんな事がどんどん結びついていく」
まさに、この小説を読み続ける原動力となりました。ちりばめられた幾つもの伏線というべき、摩訶不思議な出来事のさわり、隠された歴史のさわり、登場人物のさわり、等々に悶悶としたものを観じながら読み進められたのは、最後には結びつく、スッキリできる、という期待があったからでしょうね。そして読み終え、一応スッキリしました。

そしてもう一つのフレーズは
「そうだよ。遠くでほんとうに起こっていることだ。でもほんとうに起こっていることをみんな、きみが見なくてはならないというわけじゃないんだ。」
現実世界においても、ネットを使えば幼い子供でも、世の中の相当に歪んだ現実を赤裸々に目にすることができるし、残酷な人殺しやおぞましい性犯罪さえ目にすることができる。
子供にはこの世界は美しいと思って育って欲しい。そして美しい心を育みながら成長して欲しい。成長過程で、歪んだもの、残酷なもの、おぞましいもので、心に闇を植え付けて欲しくない。まさに、このフレーズは、私達の、私の心からの願いを端的に表現したものでした。

物語は、充分に満足しましたが、一点だけ気になったのは
エピローグで、東日本大震災の日の出来事が描かれていたことです。シュールレアリズムの世界は、シュールレアリズムのまま綴じて欲しかったと思います。

あとひとつ、読んでいて、これは「不思議の国のアリス」ではないか?と思いました。
言い得て妙だと思っています。

久し振りの長歩き、疲れました

昨日は、約一年休んでいたお話しの会に出かけました。
まあ歳ですから、緊張することはありませんでしたが、30分間、如何に幼い子ども達をお話に惹き付けるかに意識を集中しました。
これまでは5分から15分くらいの物語を2、3冊朗読していましたが、今回、わらべうた絵本や2~3分ほどで終わる見せる絵本も数多く読み歌いました。お子さんとは言え、人前で歌を披露するのは久し振りでした。でも、ホールの反響の良さで、実際よりも良く聞こえたんじゃないかなぁと思っています。どうでした?

そして帰りは、昨年の退院以後、初めての長歩きで帰ることにしました。
約20㎞の行程を四時間と踏んで歩き始めましたが、やっぱり駄目ですね、足が思った様に進みませんでした。結局、JR曽根駅に19時に辿り着きました。ここまで4時間半、辺りはもう真っ暗でした。妻に車で駅まで迎えに来て貰いました。でも一日明けて、足の疲労はあまりない様子です。それがなにより良かったです。

加古川線、北条鉄道、過ぎゆく車窓からの風景

電車の後ろの窓から、過ぎゆく景色を眺めます。
法華口駅の名物駅長(白いブラウス姿のうら若き女性)は、粒になるまで大きく手を振り電車を見送ってくれました。長駅では、ぽっぽやの健さんばりに大振りの外套姿で、敬礼で見送ってくれました。
そしてホームから、線路の際の土手から、踏切から、田園から、カメラ越しに電車を見送る鉄ちゃんを数多く、
電車の中から見送りました。
北条鉄道、愛すべき電車です。