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不寛容にもほどがある!

現在の日本社会を支配する倫理観では不適切として烙印を押されてしまう、昭和ど真ん中の言動や行動で生きている中年の男性教師を主人公にして、現代にタイムスリップした主人公が、誰かが不適切だと呟けば社会全体が盲目的に不適切を糾弾する不寛容な現代の日本社会の有り様に喜劇で一石を投じる、宮藤...

2011年11月12日土曜日

絵本を二冊買いました。

こんばんは、

仕事を終えた後、
絵本『つみきのいえ』買いました。

それと、リサイクル本コーナーで、
『こぐまのムースとねずみのロゼッタ』に出会いました。
この物語は、以前に読んだ記憶があります。

26日のおはなし会に丁度良いかな、と思い
500円で購入しました。

ラッキー!

2011年11月11日金曜日

絵本『つみきのいえ』感想


仕事を終えた後、単なる本好きの親父に戻って店内をぶらつくことがあります。

書店の入り口右角に『絵本のコーナー』がありまして、
『つみきのいえ』という絵本をしゃがみ読み(立ち読みの変形)しました。
この『つみきのいえ』は、2008年に発表された日本の短編アニメーション映画『つみきのいえ』を絵本にリメイクした作品です。

物語のあらすじです。
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水面に突き出た家に、一人の年老いた男が住んでいます。
男の住む世界は水かさが増え続け、男はこれまでも住まいが水に浸かる度に部屋の上に部屋を作り、その『つみきのいえ』の最上階の部屋に住み続けてきました。

ある日、また部屋に水が浸入してきました。
男は新しい部屋を作り始めますが、大切な大工道具を水に落としてしまいます。
大工道具は数階下の部屋に落ちたようです。
男は潜水服に着替えて、水の中に入り大工道具を取りに降りていきます。

大工道具があった部屋は、
最愛の妻と最後に過ごし、妻の最後を看取った部屋でありました。。。

そして男は、切なくも懐かしい思い出を求めて、階を下っていきます。

娘が嫁いでいった部屋

飼い犬がいなくなった部屋

娘が学校に進んだ部屋

そして

まだ、水に侵されなかった世界
太陽は輝き、草木は萌え、草原の中で
幼い少年は大切な少女と歓喜の中で駆け回ります。
二人は成長し、
大きな木の下で結婚の誓いを交わし
草原の中に小さな家を築きます。

水底の薄明かりの世界で『つみきのいえ』の一番下の部屋
『最初の小さな家』に辿り着いた男は
水底から水面に向かって延びる『つみきのいえ』を見上げます。

『いえ』は、男の大切な人生の積み重ねの記憶でありました。。。

男は、新しい最上階の部屋で穏やかに過ごします。
新たな明日の始まりです。。。
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水彩のタッチで描かれた絵は、とても細やかで穏やかで、そして文字など不要と思える程に多くのメッセージを語りかけてくれました。

読み始めは、『世界の終わり』が描かれた重々しい物語かと思いましたが、

男がアルバムをめくるように記憶を辿り
そして水底から『つみきのいえ』を見上げるシーンに至って
自身の大切な記憶の守り人であるという静かな誇りを、
男は感じているのだろうなと、とても厳粛な気持ちを覚えました。


『人生』って、これまでの経験の積み重ねなんですね。
喜びも悲しみも、すべての経験があって今日がある。
明日の『人生』を喜びを持って迎えられるよう、今日を歩みたいと思います。


p.s.
そうそう、しゃがみ読みして、買わずに棚に戻した本ですが、
やっぱり買おうと思います。手元に置きたい一冊です。

それから、
短編アニメーション映画『つみきのへや』ですが、
絵本とは、また違った深良い印象を覚えました。
こちらも鑑賞、お薦めです。

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※2012年に制作した絵本朗読です