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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2023年1月1日日曜日

母と暮らせば

 母は年末の介護認定更新調査の結果、要介護5に認定されました。

しかたありません、年齢も今年誕生日を迎えれば98才になりますし、年相応に認知機能も身体の衰えも進んでいます。

見ていて辛いのは、左手が丸く引きつってしまっていること、起床時ベッドから起こすときに、少しでも足が伸びてしまっていると関節部分に強い痛みが生じる時です。そんな時、母は顔を大いに歪めて痛みを訴えてきます。でもどうしようもありません、これが人間が痛み衰えてゆく姿なのだと、ただただ頑張れと笑顔で声かけするだけです。


それでも改善したこともありました。

母は衰える以前から便通が悪く、ダイオウ粉末などの薬を服用して排便を促していました。認知機能や身体の衰えが進んで、家族によるケアが必要になってからも服用を続けていました。服用しないと一週間経っても便が出ないのです。しかし、服用すればするで、今度は緩い水便がドバッと排出されオムツパンツからも漏れ出して、服から床から布団からシーツから便塗れになってしまい、その後の片付けや洗濯が大変でした。


それが二年前の母の誕生日の時に、一番上の姉が介護食弁当の一ヶ月お試しをプレゼントしてくれて、これが契機となって、母の食事に色々と気を使うようになりました。


そして現在、母の食事は基本一日二食となり、

朝は、手作りのカボチャやさつまいものピュレに、豆腐と黄身とチーズを混ぜ合わせてスープやシチュー類と合わせて温めたグラタン、そして牛乳から作ったリコッタ、季節の果物のすりおろし、これらを組み合わせて一食にし、

夕刻に、介護食の弁当と、市販の介護食おかゆ御飯類、そしてスープで一食、

間食としてプリンや介護ゼリー

飲み物は、コーヒー、紅茶、日本茶と栄養剤ドリンクであるエンシュアリキッドで水分補給をしています。

テーマは誤嚥防止と、とりあえずしっかり食事を取る事です。

代わり映えしないメニューですが、これを続けている内に、ダイオウ粉末など服用せずとも、形を維持した軟便が出るようになりました。合わせて、汚れることもほぼ無くなって、トイレサポートが楽になりました。


こちらも体調の優れないことも多く、冬場になると風呂に入れることは難しくなりました。けれど、こういう時、温水が出るウォシュレットがあって助かります。

後は身体を温湯で浸したタオルで拭いて、清潔な着替えをすることで、肌のダメージを防いでいます。


十分に満足する様なサポートは出来ないけれど、手を抜くことも多いけれど、それでも母は、時折に「ありがとう」と言ってくれます。いつもはぶっちょずらの私ですが、母の前では笑顔と大きな声で接しています。


母の口癖は「呆けても呆けてもいんだから」「呆けるときは呆ける」などなどです。この口癖を聞くと、なんとも緩やかな笑みがこぼれます。後どれくらい、この口癖が聞けるかは分かりませんが、聞けなくなるまで、母と暮らしていたいとと思います。