『ほんとうの宝物は?』という学校劇があります。この劇、小学5年生の時、学芸会で演じました。
42年前の出来事です。劇の内容はほとんど覚えていませんが、偽物の空飛ぶじゅうたんを宝物と偽ってコンクールに入場するアラマー共和国の三人の王の一人を演じました。もう二人は、イチャサンとボーさんです。
一人のセリフは二行もありませんでしたが、三人とも、なんやかんやと余計なセリフを口走り、あげくに退場の際、当時の流行歌『またあう日まで』をもじって、「またあう日まで、さよなぁあら!」と観客に向かって訛りながら絶叫し、会場を爆笑の渦にしたことだけはよく覚えています。
アラマー共和国の王を演じたときの写真です。
頭には、母がタオルを丸めて作ってくれたターバンを被り、腰には、父が木に金紙を巻いて作ってくれたサーベルを差しています。
この劇『ほんとうの宝物は?』について、Googleで検索しますと、ヒットしました。
現在でも、全国各地の小学校の学芸会で演じられているのですね。
そしてあらすじですが、
あるとき、世界宝物コンクールが開かれます。そこに世界中の国々が、我こそはと宝物を持って集まりました。
アポロン連邦は「月の水」を宝物だとして入場します。でもインチキとわかり失格です。
次にチョウメイ国はお年寄りが宝だと、お年寄りを伴って入場します。お年寄りは国の宝、合格です。
ガメツキランドは、光輝くダイヤモンドを持って入場します。でもそれは盗まれた物とわかり失格です。
アセミドロ国は、働く人が大勢朗らかに入場して、合格です。
アラマー共和国は、空飛ぶじゅうたんを持って入場しますが、偽物とわかり失格です。
イクサマニア連邦は、爆弾を持って現れますが、それは悪魔の宝なので失格です。
最後にニコニコランドは、子供たちを伴って入場します。子供も国の宝です。満場一致で合格です。
・・・
という内容の物語です。
ここで云う『宝物』とは何でしょうか?それは『国の宝』です。万民が共有すべき善行の理念です。
これまで国を支えてきたお年寄り、
今、汗水流して真面目に働く人々、
そして子供たち、
この三つこそが、国が栄え続けるための大切な宝物だと説きます。そして大切に守らなければならない、善行しなければならないと諭します。
反対に、インチキ、盗み、偽り、そして爆弾は、『悪魔の宝』として、けして持ってはいけない、悪行に手を染めてはならないと諭します。
40年前の日本では、当たり前の事でした。
でも現在はどうでしょうか?日本、だけでなく世界の国々が信奉するのは、軍事力と経済力です。40年前『悪魔の宝』としたものが、『神の宝』『神の力』として振る舞いはじめています。恐ろしい事態です。