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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2014年12月18日木曜日

ウイスキーはお好きですか?

先日テレビで放送された「NHKわが心の大阪メロディー」の中で、石川さゆりさんが「ウィスキーはお好きでしょ」を歌われました。1990年当時のサントリーウィスキーのCMソングのでしたね。石川さんの艶っぽい歌声に魅せられて、思わずウィスキーを取り出し小さめのグラスにワンショット注ぎ入れ、一嗅ぎした後口中に放り込みました。久し振りに喉が灼ける感覚を覚えました。

これまた先日観た高倉健さん主演の映画「居酒屋兆治」では、兆治が営む小さな居酒屋のキープボトルの棚にダルマ(サントリーオールド)が並んでいました。1980年当時、このダルマをキープすることが呑み助の一種のステータスであった様に思います。ヒロインは大原麗子さんでしたね。大原さんは当時サントリーウィスキーのイメージガールでした。「すこーし愛して、ながーく愛して」、忘れられないCMです。年上なのにどうしようも無く可愛くて・・・好きでした・・・

1980年当時、一番酒に浸っていました。
22時までは居酒屋で、ビールか日本酒を飲み
22時からはスナックでウィスキーを飲むのです。
ちなみに家では、一升瓶入りワインを飲んでいました。

初めはダルマをキープし、やがてはVSOPをキープする。それがステータスでした。
初めの頃は水割りでしたが、やがてはロックかストレートで飲みました。
実は、ウィスキーが醸し出す土塊の様な香りをぞっこん好きになったことはありません。
ワインにチーズが合うように、ウィスキーにはタバコが合うのかもしれません。
当時は、酒もタバコも嗜んでいました。アルコールがどんどん体に入るにつれて、灰皿には吸いかけのタバコが何本も並んでいきました。吸いかけをわすれて、一杯飲むたびに新しいタバコに火をつけていたのです。

ウィスキーはアルコール度数の高い酒です。
国産のビールは、4度から6度
日本酒やワインなら11度から15度
ウィスキーは40度です。
ですからストレートで飲むと喉が灼ける感覚を覚えます。
ウィスキーは火のような酒です。
20代の頃は、今は昔、これでも結構熱い男でありました。
ですからウィスキーは友でした。

YouTubeの動画投稿を始めて4年が経ちます。

YouTubeの動画投稿を始めて4年が経ちます。
初めて投稿したのが、森繁久弥さんが作られた歌「オホーツクの舟歌」の歌唱でした。
そして先日投稿した絵本朗読「あの路」を含めて、投稿本数は85本となりました。
https://www.youtube.com/user/harimanokuni2007

映画に歌に朗読に、興味があった。それにコンピュータを長らく仕事で使っていて馴れていました。ですから一人で制作するのに何の不便も苦痛もありませんでした。楽しみだけでした。
実は、動画作成に初めてチャレンジしたのは、15年以上前になります。パソコンは、NECのValuestarで、動画編集ソフトで動画ファイルを出力するのに丸一昼夜掛かりました。自分が何かをするわけではないですが、コンピュータの演算処理が終わらないのです。途中でストール(フリーズ)することもしばしばで、それで制作は早々と諦めました。
現在のパソコンは、富士通のDESKPOWERです(しかし、もう使い始めて5年が経過しますが・・・)。それでもCPU性能は、15年以上前のスーパーコンピュータ並で、搭載メモリ量は4Gバイト、動画編集ソフトはフリーソフトのWindows Liveムービーメーカーを使っていますが、長さ15分程度の動画を作成し、動画ファイルとして出力するのに数分しか掛かりません。まるでストレスが無いのです。ですから、作りたい!という衝動が始まると一日もかからずに作成できます。

YouTubeでは、投稿した動画についての分析レポートを提供してくれます。
それは、再生回数、ユーザー層、再生場所、トラフィックソース、端末等々の細かな分析データです。真にクラウドコンピュータのビックデータ処理能力の凄さを間近に見ます。

一部ですが分析レポートの情報を公開します。
すべての動画投稿の全期間(2009/7/5~2014/14/16)の再生回数は,599,112回です。

再生回数の多い動画のベスト10は、
113,289回:Stand Alone ドラマ「坂の上の雲」主題歌の歌唱
109,990回:絵本朗読「わすれられないおくりもの」
74,336回:絵本朗読「ムーミンのふしぎ」
44,318回:絵本朗読「ずーっとずっとだいすきだよ」
28,586回:朗読「21世紀に生きる君たちへ」
26,513回:絵本朗読「つみきのいえ」
23,996回:絵本朗読「クリスマスのおくりもの」
19,753回:絵本朗読「急行 北極号」
13,630回:「夢一夜」歌唱
13,192回:「野風増」歌唱
です。

再生回数の多い地域のベスト10は、
565,114回:日本
9,554回:アメリカ合衆国
6,371回:台湾
2,331回:イギリス
1,649回:大韓民国
1,174回:カナダ
1,057回:タイ
929回:香港
885回:オーストラリア
781回:ドイツ
ですが、再生地域はなんと151の国と地域に渡っていました。
驚きと同時に、私の知らない遠くの国にもこんなにも日本人がいるのかとか、日本に興味がある人がこんなにも世界中にいるのかなどと、嬉しさが広がります。

クリスマスが近づくと、クリスマスの関連動画の再生回数が伸びてきます。
クリスマス関連動画は、
絵本朗読「クリスマスのおくりもの」
絵本朗読「急行 北極号」
絵本朗読「ゆきのふゆよる」
絵本朗読「賢者の贈り物」第1幕
絵本朗読「賢者の贈り物」第2幕
「ホワイトクリスマス」歌唱
があります。

これらの動画作品で、皆さんと楽しさを分かち合えたら、感動を分かち合えたら、それが私の喜びです。
これからも動画を再生した時の感想、批評など、遠慮無くどしどし投稿していただければ嬉しいです。

これからも、どうぞ宜しく、です。

今年、一番驚いた科学のニュースは

STAP細胞・・ではありません。でも存在が実証できていたら、やっぱり断トツで一番だったと思います。・・でも残念ながら、今のところランク外です。

で、一番驚いたのは初夏に公開された
英国のサリーナノシステムズという会社が開発した世界一黒い物質、ヴァンタブラックです。何でも光の反射率が、0.035%という驚くべき光吸収素材です。
光を吸収する、光を逃がさない、人類はもしや暗黒物質を精錬してしまったのか?なんて一瞬驚愕してしまいました。

記事:「地球上で最も黒い新素材「Vantablack(ヴァンタブラック)」登場、黒すぎて空間に穴が開いたように見えるレベル」にリンク
http://ggsoku.com/tech/vantablack-blackest-material-ever/

アルミホイルにヴァンタブラックがコーティングされたサンプルの写真が掲載されていますが、そのコーティングされた箇所は、まるで異世界への入り口の様で、ぽっかりと穴があいている様にしか見えません。

今年一番心に残った本は「小学4年生の世界平和」です。

今年出会った本の中で、一番心に残った本について書こうと思います。
その本のタイトルは
「小学4年生の世界平和」
(原題:WORLD PEACE and Other 4th-Grade Achievements)
著者:ジョン・ハンター
訳者:伊藤 真
です。

関連サイト:ジョン・ハンターの世界
http://www.ted.com/talks/john_hunter_on_the_world_peace_game?language=ja

春先、新聞の書評を見て購入しました。
ジョン・ハンターという小学校の先生が、約30年前からはじめた特別授業の記録です。
特別授業のタイトルは”ワールドピースゲーム”
それは、今世界で起こりうる深刻な問題を、一つの教室の生徒全員を当事者に仕立て上げ、問題解決を実践させる国際政治のロールプレーイングゲームです。

教室の真ん中には、エンプティ・スペースという名前のキューブ型のゲーム盤が置かれています。ゲーム盤は多階層になっていて、最下層が地底や海底、そして順に上に向かって、海面、陸地、空、宇宙と続きます。陸は四つの国に分かれていて、そこには様々な駒が置かれます。油田基地であったり、兵器であったり、そして兵士や様々な職業の人形も置かれています。なにものも動かずただ静かな空間ですが、想像力があればダイナミックに活動する地球への変貌します。
ハンター先生が、生徒に期待するものの一つが、この想像力です。

そして、生徒に配役をします。
配役は、四つの国の国主と幾つかの大臣、それからどの国にも属さぬ遊牧民族の長、国連の事務総長などです。運命を司る(岐路に立った時にコイントスで道を決める)気象の女神もいます。様々な妨害工作を企てるテロリストもいます。望めば武器商人にだってなれます。
ここでは行動力が期待されます。生徒は役になりきって行動しなければなりません。善もあれば悪もある、自分が何者かを調べて、役になりきるのです。そして、行動する。

そしてゲームの実践です。ハンター先生は、このゲームを通じて、生徒が七つの学習段階を経る様子を見守ります。

1.過大な負担に困惑する
ゲームが始まり生徒たちは興奮しているが、情報の海に呑み込まれる段階。
種々の危機の重大さ、そのどの危機にも互い(当事者全員)に密接に関連していること、そしてどうにも解決できそうに見えないといった現実がじんわり身に染みてくるにつれ、ただただ圧倒されて、困惑する。

2.失敗を犯す
こうした圧倒的な緊張の後は、大抵深い敗北感に襲われる。自分たちがすでに知っていること、すでにできることの限界を生徒たちが感じる段階。
それぞれに努力しても結果が出ない。何をしてみても無駄に思える。絶望感が漂い始める。自分の限界に直面して落胆していたりする。

3.一人一人が理解する
失敗のどん底の中で、たまたま個々に新たな解決策を見つける生徒たちがいる。自分の限界を乗り越えることを迫られて、新たな取り組み方を生み出す。
しかし、国際政治の本質上、個人の努力や成功でできることには限界があり、やがて生徒たちは、個々人よりも大きな何ものかに身を捧げなければならない事に気付く。

4.コラボレーション(共同作業)する
一人一人が自分の限界に気付いた時どうなるか?一つの可能性は、一転してコラボレーションに向かうこと。
力を合わせ、より大きな試みに参加すれば、個人の力ではまったくどうにもならない事にも解決策を見いだせるかもしれないと、生徒たちは理解し始める。

5.『ぱっ!』とひらめく
この時点で生徒たちの認識は一段高く、あるいは深くなり、唐突に「わかる」瞬間が来る。
目の前が開け、突然の驚きに襲われ、この瞬間の衝撃を雷に打たれたかのように実感する。これまであり得なかったほど可能性がはっきりと見えてくる。まさに「ユリイカ」の瞬間。
ゲームにおいて「集団的な感覚」を感じ取る瞬間だ。
今や私ひとりではなく、私たちであることを知る。私たちは、先に進むことができることを知る。

6.流れに乗る
このかけがえのない状態は、遅かれ早かれ必ず訪れる。
ある段階に来ると、生徒たちはただただ流れに乗っていく。この素晴らしい時間の間、垣根は消え去り、喜びと安らぎが教室に溢れ、不思議なことに教室全体が(そこにいる全員が)独特な持続的な状態に入る。
私たちは一人一人の個人であると同時に、何かより大きなものの一部であるとも感じている。無限の一体感だ。

7.理解を実践に変える
流れは、どれほど素晴らしいものであろうと、いつまでも持続させることは難しい。遅かれ早かれ、私たちは再び一人一人が個別の存在である状態へと戻ってしまう。
私たちにできることは、その常ならざる状態の中で得られた「理解」を、解決すべき問題に当てはめて活用する事だ。
この段階に来ると生徒たちは気付く。ワールドピースゲームを成功させる唯一の道は、集団として取り組むこと、自分という個別の存在よりも大きな何ものかの一部になること、そしてどう進むべきかを一緒に決めていくことだ。ここまでくれば、あとはゲームを勝利で終わらせるだけだ。

そして生徒たちは、自分たち(強者のエゴやテロリストの暗躍)によって、また自然災害や大事故によって引き起こされた地球の危機に、ワールドピースゲームで立ち向かうのです。
特に感銘を覚えたエピソードは、
「第6章 武器商人たちは勢力よりも正義を選択した」です。
武器商人になった二人の生徒は、ハタッと気付きます。最終兵器である核兵器を各国に売りさばけば、やがて核戦争が勃発し、核兵器によって地球が破壊され、武器を買ってくれる客がいなくなってしまうと。それで通常兵器のみ販売を続けるが、通常兵器の販売だけでは商売が立ちゆかないために、ビジネスの多角化に乗り出します。
最も貧しく資源も乏しい国で農業開発に資金を投入します。そして利益の一部をその国に還元します。
そして次に風力発電に投資をし、石油に頼らないエネルギーをその国にもたらします。
さらには産油国の砂漠地帯にソーラーパネルの工場を開設するなど、代替エネルギーの開発に投資を続け、やがて原子力発電所の廃止(テロ等により重大な危機を招かぬように)と核兵器の使用制限に向けて活動します。

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安倍晋三自民党総裁が、総選挙の大勝後に、「経済も外交・安全保障も、この道しかない」と、前内閣が打ち出した数々の法案の実行・行使を訴えていましたが、この絶対的権力を手中に収めた者の発言には、なにやら一国(一党)主義的な匂いがして不穏感を覚えます。

ハンター先生のワールドピースゲームが気付かせてくれるのは、「平和とは共同作業がもたらすもの」という不変の真理です。子供たちに、子供時代にこの不変の真理に気付かせてあげられることが、真の平和国家の持続的建設に欠かせないアプローチであると思います。
と同時に、私たち平和を標榜する日本人は、それがたとえ一国(もしくは独立、個人)として最良であったとしても、相手をおもんばかり、双方にとって最良のものをあらたに見つけ出し選び取る勇気と粘りが必要です。
先月亡くなられた高倉健さんは、中国でも大人気であったと言われます。
高倉健さんは「義理と人情を秤にかけりゃ義理が重たい男の世界」と歌われましたが、高倉健さんが演じられたのは人情に篤い日本人でした。それが世代を超え、国境を越え、愛された理由だと思います。人情とは、血の通った、心の通った思い遣りです。
正しい和訳ではないですが、
「コラボレーション=人情を通わす」
と読み替えてみてはどうでしょう。
ワールドピースゲームが、さらに「すーっ」と心に染み込んでくると思います。

2014年12月16日火曜日

NHKわが心の大阪メロディー、観ました。

今晩放送のあった「NHKわが心の大阪メロディー」を観ました。
始まりは法善寺横町から石川さゆりさんが歌う「夫婦善哉」でしたね。
30年ほど前に、横町の一角にあるお寿司屋さんに、同期の宴会場所を探す傍ら立ち寄りました。五人ほどで特上寿司を一つ頼み、ジャンケンして勝ったモンから食べる遊びをしましたが、私ジャンケンで一番最初に負けたのに、さっと手を出しアワビの握りを一飲みしました。ズルをしたのです。でもその晩からお腹を下し、一週間酷い下痢に苦しみました。同席していた友だちからは罰が当たったと笑われたこと思い出します。

「宗右衛門町ブルース」のタイトルを聞いて、宗右衛門町の裏通りにあるシックなラウンジに、初めて先輩に連れていってもらった事を思い出します。それまで大衆酒場や若者の集う酒場しか知らず、初めて大人大人というシックな世界に踏み踏み込みました。でもあの感覚は、やっぱり馴染めませんでした。

そして「大阪で生まれた女」、この歌を生んだBOROさんの歌声で久し振りに聴きました。私、BOROさんの生歌を聴いたことがあります。35年前、金沢の繁華街小立野通りのアーケードに下で、路上ライブをされていたBOROさんに偶然出会したのです。
それからは金沢時代、大阪時代を通じて、スナックに行けば必ずこの歌を歌いました。
「大阪で生まれた女」、今でもこの歌を聴くと胸が熱くなります。

そして最後はドラマ「マッサン」で大ブレークの、エリーことシャーロット・ケイト・フォックスさんが歌うスコットランド民謡"Auld Lang Syne"、日本では「蛍の光」として有名な歌ですね。シャーロットさんの歌声が聴きたくて、実はこの放送を観ていました。劇中でも歌われていましたね。私はニュージーランドの歌姫ヘイリーさんの天使の歌声が大好きですが、初めてシャーロットさんの歌声を聴いた時、同じ感動を覚えました。この人は歌唱も素晴らしい、って感動しました。
でも実は、劇中で歌われていたもう一つの歌"The Water Is Wide"(悲しみの水辺)を期待していました。いつかしっかり、シャーロットさんの歌声で"The Water Is Wide"を聴ける機会を楽しみにしたいと思います。

【The Water is Wide - Hayley Westenra】

【The Water Is Wide(Traditional)with lyrics-Karla Bonoff】


hirobich5922さんという方がYoutubeに歌声をアップされていました。

それからそれから・・・
手前味噌ですが、三年前にアップした絵本朗読「わすれられないおくりもの」でオープニングのBGMとして使わせて頂いたのが、これまた大好きなギター奏者John Christopher Williamsの楽曲"The Water Is Wide (O Waly, Waly)"です。
絵本「わすれられないおくりもの」を初めて手にとって読んだ時、ケルトの世界が広がりました。そしてこの楽曲が、物語に一番しっくりと合う事に気付いたのです。

選挙、行きましたか?

日曜日の選挙、行きましたか?
私は夕方遅くに、家族みんなで行きました。

夜の選挙特番で、あるゲストコメンテーターが「今選挙は、逆桶狭間の戦い」と表現していましたが、言い得て妙、と頷きました。
桶狭間の戦いは、まだ小国の国主であった織田信長が攻め入る今川義元の大軍に対して少数精鋭で本陣に奇襲をかけ、見事義元の首を討ち取って勝利した戦いです。そして織田信長の天下取りへの道が開けました。
かたや今選挙は、前回選挙の敗北から一向に立ち直る気配のない野党を尻目に、安倍晋三総理大臣率いる内閣と与党自民党は、先の内閣改造後に噴出した新大臣の不祥事の責任問題を一掃し、尚且つ閣議決定した重要法案を今後次々に断行するための弾みをつける選挙です。織田信長は、もちろん安倍晋三総理大臣です。そして今回の今川義元は、有象無象の野党というよりも、選挙で選択肢を奪われた国民ではないかと感じます。そしてとにもかくにも安倍晋三総理大臣は、大勝利を収めました。

1996年に小選挙区制が導入されて、日本はドラスティックな政権交代が可能な国になりました。しかしそれには切磋琢磨する二大政党が必要です。そして約10年をかけて自民党に対応しうる政党となった民主党が、2009年自民党の大失態があって小選挙区による地滑り的な大勝により政権を奪取しました。
しかし、民主党政権の栄華は長く続きません。インテリ風なリベラリストが、数値目標を全面に押し出したマニフェストを作成するも、行政は笛吹けども踊らずで、絵に描いた餅で何ひとつ実現できず、しかもそれは外交にもおよび、同盟国アメリカはもとより近隣の中国や韓国との関係にも大きな亀裂を生みました。また民主党政権は、2011年に起こった東日本大震災においても、また原子力発電所の重大事故においても、その復旧復興の主体的なリーダーシップを発揮できぬ事を露呈しました。
そして、2012年の総選挙で民主党は地滑り的な大敗を喫し、有象無象の野党へと沈んでいきました。
そして今選挙は、強引な指導力を発揮する与党と有象無象の野党との対決です。選挙結果は、火を見るより明らかで、それが史上最低の投票率(52.66%)を招く結果となりました。

新聞やテレビで発言するジャーナリストは、たとえ選挙する選択肢に限りがあっても、マシな方に一票を投じることが大事、投票することが大事と訴えていました。しかし、選択肢がない状態で選べというのは、まるで強制的に支持を表明せよと言っているのと同じです。また安易に、候補者や政党を、まるで鉛筆を転がすように運に任せて選んでも良いのでしょうか。それで投票率が上がったとしても全く正しくないし、もしも投票率が80%や90%になったとしたら一大事です。恐ろしい事態の始まりです。

既存候補者に対し、また既存政党に対し、”NO!”を突きつける選択肢を設けることが必要です。それが民意を十分に汲み取る選挙の仕組みになると思います。