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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2014年12月16日火曜日

選挙、行きましたか?

日曜日の選挙、行きましたか?
私は夕方遅くに、家族みんなで行きました。

夜の選挙特番で、あるゲストコメンテーターが「今選挙は、逆桶狭間の戦い」と表現していましたが、言い得て妙、と頷きました。
桶狭間の戦いは、まだ小国の国主であった織田信長が攻め入る今川義元の大軍に対して少数精鋭で本陣に奇襲をかけ、見事義元の首を討ち取って勝利した戦いです。そして織田信長の天下取りへの道が開けました。
かたや今選挙は、前回選挙の敗北から一向に立ち直る気配のない野党を尻目に、安倍晋三総理大臣率いる内閣と与党自民党は、先の内閣改造後に噴出した新大臣の不祥事の責任問題を一掃し、尚且つ閣議決定した重要法案を今後次々に断行するための弾みをつける選挙です。織田信長は、もちろん安倍晋三総理大臣です。そして今回の今川義元は、有象無象の野党というよりも、選挙で選択肢を奪われた国民ではないかと感じます。そしてとにもかくにも安倍晋三総理大臣は、大勝利を収めました。

1996年に小選挙区制が導入されて、日本はドラスティックな政権交代が可能な国になりました。しかしそれには切磋琢磨する二大政党が必要です。そして約10年をかけて自民党に対応しうる政党となった民主党が、2009年自民党の大失態があって小選挙区による地滑り的な大勝により政権を奪取しました。
しかし、民主党政権の栄華は長く続きません。インテリ風なリベラリストが、数値目標を全面に押し出したマニフェストを作成するも、行政は笛吹けども踊らずで、絵に描いた餅で何ひとつ実現できず、しかもそれは外交にもおよび、同盟国アメリカはもとより近隣の中国や韓国との関係にも大きな亀裂を生みました。また民主党政権は、2011年に起こった東日本大震災においても、また原子力発電所の重大事故においても、その復旧復興の主体的なリーダーシップを発揮できぬ事を露呈しました。
そして、2012年の総選挙で民主党は地滑り的な大敗を喫し、有象無象の野党へと沈んでいきました。
そして今選挙は、強引な指導力を発揮する与党と有象無象の野党との対決です。選挙結果は、火を見るより明らかで、それが史上最低の投票率(52.66%)を招く結果となりました。

新聞やテレビで発言するジャーナリストは、たとえ選挙する選択肢に限りがあっても、マシな方に一票を投じることが大事、投票することが大事と訴えていました。しかし、選択肢がない状態で選べというのは、まるで強制的に支持を表明せよと言っているのと同じです。また安易に、候補者や政党を、まるで鉛筆を転がすように運に任せて選んでも良いのでしょうか。それで投票率が上がったとしても全く正しくないし、もしも投票率が80%や90%になったとしたら一大事です。恐ろしい事態の始まりです。

既存候補者に対し、また既存政党に対し、”NO!”を突きつける選択肢を設けることが必要です。それが民意を十分に汲み取る選挙の仕組みになると思います。

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