ドラマや映画を見ていて感心するのは若い俳優さんたちの芸達者ぶりです。子役の役者さんでも、あまりの上手さに膝を打ちそうになったりします。でも中には「下手やなぁ、ようこんなんでテレビに出てるなぁ」と逆に感心する若いぽっと出の役者もいます。彼女はそんな一人でした・・・
NHK土曜時代劇ドラマ、「みをつくし料理帖」から始まって、次の「悦ちゃん~昭和駄目パパ物語~」でも女優陣(子役を含む)の芸達者ぶりがドラマを大いに盛り上げてくれましたが、新しく始まった「アシガール」の主役は、前述の彼女でした。黒島結菜ちゃんです。
しかしこの「アシガール」、毎週見続けるほどに黒川結菜ちゃん演じる速川唯/唯之介に目が離せなくなりました。一つには郷愁です。小中学生の時に見た少年ドラマシリーズを彷彿する素直で素敵なポジティブさが彼女から発散されているのです。そして彼女の演じている(ちゃんと演じられているのですが)ようには見えない、現代の女子高生がタイムトラベルで戦国時代に出かけている突拍子もないシチュエーションにも関わらず、マイペースであっけらかんしている様に惹かれてしまったのです。毎度毎度、若君の乗る馬の後ろをどこまでも走って付いていく姿には驚かされます。でも、参った、いちころにされたと思ったのは別のシーンでした。
それは何話の事だったでしょう。若君の寝所にどこかの姫が招かれたとき、嫉妬した唯之介がその姫を電気ショックで眠らせた上、姫に変装?して寝所に入り込んでしまいます。でも寝所に入ったはいいけれど、まさか布団に入ることもできずにもじもじしている唯之介に向かって若様が歌を所望すると・・・彼女は「おお牧場はみどり」を大きな声で歌い出します。
おお牧場はみどり~草の海、風が吹うく
おお牧場はみどり~よく茂ったものだ ホイ!
いやぁ、この「ホイ!」でいちころにされました。画面から流れるこんなにも溌剌とした歌声は、映画「耳をすませば」のカントリーロード以来でした。
そしてタイムトラベルは後一回限りとなりましたが、若君も男前ですね。事情を知った上で唯には真実を話さずに、「一度(現代に)帰って、また戻ってきて欲しい」と話していました。まだまだ一波乱ありそうな「アシガール」、今週の回も楽しみにしています。
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