現在絶賛再放送中の朝ドラ『カーネーション』の主人公糸子さんと同じ(といっても12歳若いのですが)、大正生まれで、洋裁が得意であった母ですが、この月曜日の朝から急に座って食事が取れなくなって、熱も39度に迫る発熱が出、とりあえず手元にある解熱剤と抗生物質を服用させてから訪問看護の看護婦さんに状況を連絡しました。
看護婦さんは昼過ぎ訪問され、訪問医療の医師の指示で採血されました。その結果が翌朝でました。心不全マーカーといわれるBNP値(平常時は20以下)が5000以上になっていて、心不全の末期状態、いわゆる老衰の看取りの段階になってしまっているとの事でした。
年が明けてから、2月までに数度発熱症状を起こしていました。原因として室内熱中症や誤嚥性肺炎が考えられました。誤嚥性肺炎による発熱時は、血中酸素濃度も90を切る状態で一時は危険な状態になりましたが、その時は、点滴が快方に導いてくれました。しかし、この度は点滴が使えません。心臓にこれ以上負担が掛けられないからです。
日曜日の夜までのように、椅子に座って口から食物や水分を与えることも叶わなくなって、月曜日、火曜日、水曜日の午前中までは、ただそばで見守るしか出来ない有様でした。
でも水曜日に看護師さんが訪問され、室温も蒲団の暖房も厚手の衣服も体熱を逃がさないようになっているため、室温を下げましょう、蒲団の暖房は止めましょう、衣服も軽装にしましょうと勧められ、以降はその指導に沿うようにしました。また、横になっている状態での吸い飲み器を使っての水分補給の仕方と、ベッド上でのおしめ交換の仕方を妻と二人で教わりました。
その後、三日ぶりに吸い飲み器で、栄養補給飲料エンシュアリキッドを白湯で薄めて飲ませてみました。顔が横向きの状態で、上になった口元に吸い口を充てて、気持ち一滴ずつ口中に注ぐ気持ちで、時間を掛けて行いました。きっと半分以上は口から漏れて下でカバーしていたタオルやナプキンが受け止めることになったでしょうが、それでも一回につき100ccは飲ませることができました。そして夜には熱も36度台まで下がり、以降は解熱剤等の服用に頼らず、36度台をキープし続けています。水分補給も木曜日の昼過ぎまでに5回ほど行いました。母はベッドで横になり、じっとしていますが、声かけすると、遅れて短く返答をしてくれます。まだまだ頭はしっかりしている様子です。昨日は兄の長男が久しぶりに見舞いに来ました。小さい頃は母とも同居しており、一番気心の知れた孫でして、手を握ったらしっかり握り返したと話していました。
本当に妙な気持ちです。もしかしたら以前の様に快方してくれるのではないか、ベッドに寝たままだけど、気持ちは伝わるし、少ないけれど水分や栄養補給もできる、このまま続ければもしかしたら・・・、という期待もわき上がってくるのですが、現実的にはいつ息が止まってもおかしくない状況であるとの現実からも目を背けることは出来ません。
妙な気持ちで母の側に付き添います。母もずいぶん前までは日々行としてお経を上げていましたので、いまは母の枕元で般若心経や修証義を読誦します。般若心経は生死の境なく歩み続ける人への応援歌と私は理解しています。
キリスト者の妻は、愛情込めて、キリストを信じ受け入れることを母に語ってくれていました。信仰に篤き者には天国の門が開かれるからです。一応私も洗礼を受けた者として、その様子を感謝の気持ちを持って見守りました。
この先のこと、この数日のことは、一体どうなるか分かりません。ですが、この奇妙な時間がもう少し続いてくれる事を願って、いま過ごしています。
追伸
誤嚥性肺炎で体調を崩したときには、春の桜を見に行こう、そして母よりも八つ若い子どもの頃姉妹の様にして育った姪の認知症状が進んだという知らせがあったので見舞いに行こう、それを励ましの言葉として、そして、それが励ましとなって母は快方したと思っていて、それだけは実現させてあげたかったです。
それだけが、唯一の心残りになっています。
それと、7月28日で満年齢が百に到達するので、それも叶えてほしかったです。
まだ、どうなるか分かりませんが・・・
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