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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2012年4月6日金曜日

イラン危機の真実とは?

今朝の新聞で一番に関心を持って読んだ記事は、

『ドイツ詩人、イスラエル批判』

「ブリキの太鼓」などの小説で知られるドイツのノーベル賞作家、ギュンター・グラス氏が4日に地方紙に投稿した「言わねばならぬこと」と題した詩で、
『(この度のイラン危機を招いた張本人?、)核大国でもあるイスラエルが、イランに一撃を加えたならばイラン国民を殲滅しかねない』という懸念を表明した。
ドイツにはナチスの悪行ホロコーストの過去があるため、現在においてもイスラエル批判はタブー視されており、氏の懸念表明が物議を醸しているという記事です。

もう一つ、
どうしても奇行としか見えない鳩山由紀夫元首相のイラン訪問。
同門(同じ穴の狢?)民主党からも訪問中止を要請されているのだが、要請を拒否し、ポケットマネーで強行する模様。
鳩山氏はもしかしたら、90年代に国際紛争の平和的解決に働いてノーベル平和賞を受賞したジミー・カーター元米大統領を真似ようとしているのではないか、っとそんな穿った見方をしてしまう。
しかしまた、政府(民主党)の
『核開発を進めるイランに対し、欧米諸国と連携して圧力を強めている状況下で、元首相のスタンドプレーは許されない』もまた奇異な感じを受けるのです。
日本の政治姿勢は旧態依然の傍観者、長いものには巻かれろで、日本の国益さえ度外視なのです。

元来、日本は中東諸国とは良好な関係を築いていました。そして宗教的な対立もないのです。今更、という感は否めませんが、平和的な解決を図るために、日本こそ自ら動き、働くべきだと思います。

この度のイラン危機は、まるでスケジュールされている様に着々と進み緊張が高まってきました。
昨年からイラン国内で核物理学者の暗殺が続いているといいます、イスラエル諜報機関モサドとCIAの関与が疑われています。また、イランの原子力発電所がイスラエルに攻撃された?というニュースもありました。

『イランの核兵器開発断固阻止』でスクラムを組んだアメリカとイスラエル、そしてヨーロッパ諸国も東アジアも同調して、イラン包囲網が刻一刻と狭まっています。
イランはホルムズ海峡封鎖をちらつかせて牽制し、その結果が『原油の高騰』です。

90年代初めに日本で弾けたバブル、2010年代には世界の主要な諸国が同様な事象を経験するに至りました。優れた政治を標榜した北欧諸国でさえです。
これによって実体経済(人が働いて物を作り、売り買いして成り立つ)は破壊され、産業は衰退、社会保障は有名無実となり国家さえ存亡の危機に瀕しています。
それに加えて日本では、昨年の東日本大震災によって原子力発電所の安全性の脆弱さが浮き彫りなり、戦後なりふりかまわず進めてきた原子力エネルギー推進行政がストップしました。これで石油の供給が停止する様な事があれば、産業どころか、国民の明日の生命さえ保障できなくなるのです。そしてこの問題は日本だけでなく、世界人口の9割を超す労働者に当てはまり、既に今日明日の生活に困窮している人口は刻一刻と増しているのです。

イランは、欧米社会また日本とも違う、イスラムの文化、イスラムの立法で成り立つ歴史ある国家です。
そしてイスラエルは中東の中で異質の価値観を持つユダヤの立法で成り立つ国家です。そしてイスラエルは城郭都市といわれるほどに強固な武装を施し、また核兵器を有するとも云われています。アメリカと近しい国家でもあります。

何故にイランを標的にしたのか?

世界は2000年以降にイラク戦争を経験しました。約10年前、アメリカはアルカイダ撲滅とイラクの核兵器破棄をもくろんで多国籍軍としてイラクを攻撃しました。そしてイラク国家は破壊尽くされました。結果、アルカイダは世界中に広がり、核兵器はなかったのです。この戦争の勝利者は一体誰なのでしょう?という疑問が晴れぬままです。
そしてイラク戦争では天文学的な巨費が投じられました。その金はどこへ消えたのでしょう?考えれば考えるほど疑問だらけです。
ですが一つの事実があります。イラクの土地には膨大な石油が埋蔵されています。その他の鉱物、レアメタルの埋蔵も期待できます。その採掘の利権、流通支配権が、現在、誰の手に有るのか?
ナオミ・クラインがその著書『ショック・ドクトリン』で記した、”惨事便乗型資本主義”がうごめいていたとするならば合点がいきます。
そしてこの度のイラン危機です。
なにやら巨悪の舌なめずりする音が聞こえてきそうです。

イランは世界最古の文明『メソポタミア文明』が発祥した土地にあります。それだけでも、人類共通の遺産として守らなければいけない、決して傷つけてはいけない土地です。
またイスラエルは、神がアブラハムの子孫に与えると約束したカナンにあります。そして三大宗教(ユダヤ教、イスラム教、キリスト教)の聖地があります。カナンの地、そして聖地は清く守らねばならない土地です。

決して、人の際限のない欲望で汚してはならないのです。
双方に、たった一言、『喧嘩は止めなさい』と言いたいです。

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