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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2015年10月29日木曜日

「小学校でスマホ教室」の記事を読んで

スマートフォンが絡んだ、いじめ暴力や性暴力が後を絶たない事態となっています。
それに対して、国や地方自治体が重い腰を上げて、ある取り組みを始めたようです。

それは「小学校でスマホ教室」です。
子供たちが、いじめや性被害の犠牲者に(また加害者にも)ならないようにと”正しい使い方”を指導するという取り組みです。
しかし、何が正しい使い方なのでしょうか?
そして、誰が正しい使い方を指導できるのでしょうか?
大いに疑問です。
また、スマートフォン有りきで話が進んでいることも
大いに大いに疑問です。

一昔前までは、「学校に携帯電話は持って来るな!」が常識でした。それがいつの間にかうやむやとなって、学校からの通信や部活の連絡を電子メールやLINEなどのSNSで行う事が日常茶飯事となりました。
・性分として使わない人がいます。
・機械音痴で使えない人がいます。
・月々の利用料が不明瞭で高くて使わない、使えない人がいます。
そんな少数派(マイノリティ)の事はお構いなしに、どんどんと大勢に迎合してしまっている様に思います。また、昨今の教育も学校も、どんどんとITを活用して、変わらなければいけない、効率良く運営しなければいけない、という風潮が否応なしの導入を加速させているようにも思います。

そして、何が正しい使い方なのでしょうか?
LINEにしても、オンラインゲームにしても、まだほんの子供が誰に指南されなくても、直ぐに遊ぶ事が出来るほど操作が容易に作られています。
しかし問題は初期設定です。初期設定を変更するのがとても至難なのです。LINEにしてもオンラインゲームにしても設定を変える事で安全性を高めることができるのですが、初期設定はほとんどの場合安全性が考慮されていないというのが実態だと思います。ソフトに精通しているとか十分に分別がある人であれば、あるいはそのまま使っても問題は無いかと思いますが、そうでなければまた子供であればあるほど初期設定のまま使い続けるのは、大きなリスクを伴います。

・匿名であったり別の誰かになって遊ぶことができます。
・見ず知らずの人と簡単に親しくなれます。
・写真や動画を簡単に共有できます。
・普段なら出来ない事や言えない事が、簡単にできます。
これがネットで遊ぶ面白さや魅力の本質です。

これが大きなリスクを呼び込みます。
ですが、この面白さや魅力に一度でも虜になれば、麻薬と同じです。「魅惑」は早晩「強迫」に変わります。そして心身共に疲弊させてしまうのです。
そして、学校で一時間「このように使いなさい」、「このように使ってはいけません」といくら説明したところで、もうすでに面白さや魅力に虜になってしまっていたら馬耳東風です。聞く耳がありません。それが自明だと思います。

この様な問題が顕著化してくると、有識者会議などという諮問会議が開かれますが、
・まず実態を調査して
・何が原因かを話し合い
・提言する
と時間と金ばかり浪費して、まったく役に立ちません。
有識者には、危機感も想像力もないからです。
先だって行われた諮問会議が出した提言は、通信会社やソフト会社に「対策を講じよ」というものでした。これも馬耳東風です。聞く耳がありません。

ならスマートフォンがらみの事件から、どうやって自衛するか生徒を守るかですが、てきめんなのは、学校での無線通信を一切できなくする事です。電波を遮断するのです。
これならば、もし隠れて持っていたとしても使えません。当然、先生も学校では使えません。子供たちのお手本にならなければいけないからです。
これほどのことでもやらなければ、対抗できない事態に陥っていることを理解しなければいけないと思います。

そして社会の取り組みとして、
無線通信ができない区域を設ける事です。そこでは一切携帯電話やスマートフォンなどのモバイル端末の使用を禁止するのです。公園とか、図書館とか、病院とか、人々が集う公共の空間を安全地帯にすることです。この様な取り組みは、すでにドイツなどのヨーロッパ諸国では行われています。

社会はスマートフォンを持っている人だけで構成されているのではありません。
スマートフォンを持たない人、スマートフォンから逃げたい人の権利と安全も守らなければいけません。
子供たちには、まずこの事を納得し、社会の一員として守って欲しいと思います。

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