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差別の天秤

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2013年9月19日木曜日

放射能汚染とは?

9月8日(日)、ブエノスアイレスで行われた国際オリンピック委員会(IOC)総会で、2020年オリンピック開催都市が東京に決まりましたね。それはとても嬉しい出来事でしたけれど、最終プレゼンテーションでの安倍首相の”汚染水は港湾内で完全にブロックされている”という発言には戸惑いました。
そして戸惑うと同時に、汚染水問題の本質についてまったく理解していないことに気づきました。そこで、放射能汚染とは何であるのか少しですが学びました。

放射能汚染-
正しくは、放射性物質の汚染、そして放射性物質が発する放射線の被害です。

放射性物質とは、放射能を持つ物質の総称で、ウラン、プルトニウム、トリウムのような核燃料物質、放射性元素もしくは放射性同位体、中性子を吸収又は核反応を起こして生成された放射化物質を指します。
そして放射能とは、原子核が崩壊して放射線を出す能力のことです。物質は原子でできており、原子は原子核と電子から構成されているが、原子核が状態変化を起こすことを放射性崩壊といい、それに伴って放射線が放出される。全ての原子核が自発的に放射性崩壊を起こすわけではなく、一定の原子核だけが放射性崩壊を起こすが、この放射性崩壊を起こす能力を放射能という。という小難しい説明がありました。
放射性物質は崩壊にともない一定時間に一定の割合で量が減っていきますが、その量が半減する時間、半減期を見ると、プルトニウムが14.3年~24000年、ウランが7億年~45億年と途方もない年月を要します。
福島の原子力発電所事故では、原子炉建屋の爆発によって、放射性物質が飛散しました。そして原子炉内の核燃料物質の臨界(核分裂が持続的に進行)を食い止める為に注水した冷却水にも放射性物質が混入しました。この放射性物質が混入した水が、放射能汚染水です。

この放射能汚染水が、海や川に流れ出した場合、放射性物質の食物連鎖(濃縮)が起こります。
水を1とすると、
水中のプランクトンでは、2000倍
そのプランクトンを食べる魚では、1万5000倍
その魚を食べる水鳥では4万倍
というデータがあります。
そして放射性物質は濃縮されるほど、放射線を発する量が増大します。

放射線被害-
放射線は、細胞やDNAを傷つけます。しかし、細胞やDNAには傷を修復する能力があり、一線を越えない量であれば、健康に問題はありません。
しかし、放射性物質から一線を越えた放射線を浴びる(外部被曝)、もしくは体内に取り込んだ放射性物質の影響を受ける(内部被曝)ことにより、細胞やDNAは正常修復されず癌化します。また特に強い放射線を浴びた場合、細胞が完全に破壊されて死に至ります。これが放射線の恐ろしさです。

この放射線は、幾つかの種類があって、それぞれの透過力は判明しています。そして遮蔽することができます。
アルファ(α)線は、紙一枚で遮蔽できます。
ベータ(β)線は、アルミニウムなどの薄い金属板で遮蔽できます。
ガンマ(γ)線、エックス(X)線は、鉛や厚い鉄の板で遮蔽できます。
そして中性子線は、水で遮蔽できます。
原子力発電所の建屋が、鋼鉄と分厚いコンクリート(コンクリートは多量の水を含んでいる)壁で作られているのは、放射線を完全に遮蔽するためです。

しかし、素なる放射性物質を取り除く技術が実証化されていません。
放射性物質を完全にフィルタリングすることができれば、汚染水問題は解消します。
そして、放射性物質の放射性崩壊を止める、もしくは放射線を発しない安定した物質に化合できれば、放射性物質の脅威は解消され、より安全な原子力発電を手に入れることができます。
これは夢物語でしょうか?もちろん現時点では夢かもしれませんが、世界中の研究機関で夢の実現の為、日夜研究開発が進められていることと想像します。
安倍首相には、フライング気味な発言よりも、7年後の本当の夢の実現の為に、建設的なリーダーシップを発揮して欲しいと願います。

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