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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2011年11月17日木曜日

TPPについての短い考察


いまや国論を二分するTPP参加の是非。
TPPは『黒船』
開放すれば日本の産業、経済、金融、そして医療システムは崩壊する、と陣を張れば
否『箱船』
今後の世界経済の軸となるAPEC自由貿易圏に入り、その成長を取り込まなければ日本の将来は無いと陣を張る

TPP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership、環太平洋戦略的経済連携協定)
2006年発足時の目的は、世界経済の中で小国であるシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国が提携によって、その中での影響力を高めることであった、とあります。
しかし、これからの成長が見込まれる環太平洋経済圏で盟主にならんとして米国が参入したことにより、米国主導での、巨大な自由経済域、市場経済域の構築へと目的が移っているように思います。

TPPの先には、
FTAAP(Free Trade Area of Asia-Pacific、アジア太平洋自由貿易圏)があります。
環太平洋地域のEUもどきです。

TPPに参加しなければ、それが始動した後の加盟には高いハードルが課せられるでしょうし、参加しなければ、パーティーにも招待されず、情報も一切入ってこない。日本が経済の活力を外需に求める限りTPP参加は必須といえるでしょう。

大切な事は二つです。
一つは
TPP或いはその先のFTTAPの詳細なルール作りはこれから始まるということです。
経済域を無法な自由競争域にしないこと、
そして米国を幹とするツリー構造ではなく、各二国間それぞれが共存共栄の強固な線を結ぶスター構造を構築すること、
参加各国の議決権を平等にすること、
です。
自国への利益誘導に走るのではなく、互いの、地域の共存共栄を目指す、という指針でのルール作りです。

二つ目は
国内の既存産業、既存システムは各国固有のものであります。それは政治、宗教、文化と同様に不可侵です。(当然ながら、良いものへと改修もしくは一新されなければなりませんが)
『保護』などと非難される筋合いのものではないのです。
すべてが『フリー』となれば、『国のかたち』がなくなってしまいます。どの国もそんなことは望んではいないでしょう。

『黒船』か『箱船』かという論議はナンセンスです。
日本として必要ならば参加しなければならない。そして、各国と協力し最善なシステムを作ることに努力することです。機会は一度しかありません。

そして今、日本が本当に向き合わなければならない事は

真の豊かな国、強固な国作りです。
それは、
・多様な価値観・生きる目標を与える教育
・そして、多様な人生が歩める、仕事ができる土壌
を求め耕す事だと思います。
『空洞化』を見過ごすのではなく、
芯の芯まで中身がしっかりと詰まった国作り、そして多くの国民がこの国で生まれて良かったと信じられる国に立ち返る事だと思います。

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