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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2013年7月21日日曜日

野球が好きだから

夏の高校野球大会地方予選がたけなわです。
終われない夏のガチンコ勝負、勝者は甲子園を目指して戦い続け、そして敗者はグラウンドに別れを告げる。そして彼らが戦ったゲームは、私たちの心に貴いドラマそして切ないドラマとして刻まれます。

野球が好きだから
『ラブ・オブ・ザ・ゲーム』(原題:For Love of the Game)というタイトルの映画があります。1999年に公開されたアメリカ映画です。
往年の名投手が、ある特別なゲームの進行を通して、引退を決意するまでが描かれます。野球が好きなものにはたまらない映画です。

あらすじです。
10月のヤンキースタジアム、あと一つ勝てば地区優勝となるニューヨーク・ヤンキースが、デトロイト・タイガースを迎えます。
デトロイトの先発は、ベテラン投手ビリー・チャペルです。ビリーは1984年ワールドシリーズ制覇の立役者で、この20年間デトロイト一筋で活躍し続けてきました。
しかし、デトロイトは長い低迷期に入り今シーズンも最悪で、球団オーナーのウィラーは、今シーズンを最後に球団の身売りを決意します。そして、最後の仕事が盟友ビリーへの引退勧告でした。

ゲーム日の朝、ウィラーは球団の買い主がビリーを必要としていない事を告げ、名誉ある引退を勧めますが、ビリーは野球選手であることの栄光を捨てきれず即答できませんでした。
この日、ビリーはもう一つ重大な問題を抱える事になりました。長年の恋人ジェーンがビリーに別れを告げてロンドンに旅発つというのです。出発の時刻はゲームが始まる18時です。

たそがれのヤンキースタジアムでゲームが始まります。
ビリーの心境を察したキャッチャーのガスがマウンドに駆け寄ります。そして、二人で今日は特別なゲームにしようと話します。
スタジアムは、ヤンキースファンの野次が渦巻いています。その多くはビリーに向けられたものでしが、ビリーは、Clear the mechanism(ノイズ消去)と唱えると、一気に集中状態になって、打者と対決する至高の境地に入ります。

プレイ、ゲームが始まりました。
マウンドのビリーは、対戦する打者との思い出と会話をしながら、投球を続けます。
イニングを、三者凡退で刻みます。
ベンチに戻ると、ジェーンの事を思います。初めてジェーンと出会った日の事、深く愛し合った日々、そして・・・ジェーンを深く傷つけた出来事が走馬灯のように甦ります。
ビリーは数年前に大きな怪我をしましたが、無我夢中でリハビリし再起を果たしました。しかし、再起までの間、ビリーに寄り添い必死になって支えようとしたジェーンに冷たい言葉を投げ付けてジェーンを深く傷つけた事を思い出します。ビリーは今こそジェーンに側にいて欲しいと願い、後悔の念に包まれます。

8回裏が始まります、ゲームは1-0デトロイトがリードしています。そしてビリーはノーヒットノーランを続けていました。しかしビリーの右肘は悲鳴を上げ、そして疲労は頂点に達しています。
4番バーチを迎えます。バーチはデトロイトでともに戦った親友で、今年フリーエージェントでヤンキースの一員となったのです。バーチはビリーの渾身のストレートを捉えます。打球は高くライトスタンドを目指します。フェンスの手前で右翼手ミッキー・ハートがジャンプしスタンドに落ちる寸前のボールをもぎ取ります。
5番ハウエルは鋭い打球を右に放ちます。二塁手ランソンが回り込んでキャッチしアウトにします。
6番フランクリンはキャッチャーフライ、ビリーは8回も三者凡退に抑えます。

8回裏を終えたビリーは、ベンチに腰掛け手元にあったボールに
Tell them I'm through, "for love of the game", Billy Chapel
”やめます 野球が好きだから”
と書き込みます。そしてトレーナーのマイクにウィラーへの言付けを頼みます。

9回裏が始まります。
ビリーは、神に痛みを消して下さいと願い、Clear the mechanismと唱えますが、もはや集中状態に入る事は叶いませんでした。
7番代打クレーンを迎えます。強烈な三塁線の当たりを打たれますが、三塁手ジョルダーノがファインプレーでアウトにします。
8番カブリオはホームランが打てる強打者です。ビリーは虚を突くカーブで三振に仕留めます。
9番代打ケン・ストラウトは怖い物知らずのルーキーです。2ストライクと追い込んだ三球目、ケンの打球は大きく弾みビリーを越えてセンターに向かいます。しかし遊撃手が飛び込みボールをキャッチ、そして素早く一塁に送球してアウト
完全試合の達成です。
ビリーはチームメイトに担がれてます。そして両腕を天に突き上げ完全試合を喜びます。

end

この映画はビリーの視点だけでなく、ジェーンの視点でも描かれます。ジェーンが何故にビリーに恋をしたか、そして何故にビリーのもとを去ろうとしたか、それはとても切ない物語でした。
でも、一つの特別なゲームはとても素敵なハッピーエンドで終わります。
映画を観て、どうぞ素敵な感動を味わってみて下さい。
そしてもう一つ、この映画の詩情溢れるサウンドトラックを味わって頂ければと思います。


野球が好きだから
すべての球児が、この一言のためにグラウンドで汗を流し涙を流し、そして栄光に震えるのだと思います。
球児を卒業しても、さまざまな形でグラウンドに関わる事ができます。
昨日の松陽vs.神港学園の一戦では、二塁審判として鹿島中のOB竜馬君がグラウンドに立っていたと聞きました。とても感動しました。

松陽ナインの活躍で、終われない夏は続きます。
明日、彼らの野球を観戦できる事が、本当に楽しみです。
野球が好きだから
野球が好きだから
彼らの野球を精一杯記録できたらと思います。

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