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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2012年5月9日水曜日

昨日は、長歩きしてきました。


昨日は、長歩きしてきました。

7時過ぎに家を出、大塩浜を巡りました。
海は穏やかでした、ほんのりと潮の香りが漂います。
薄いもやが掛かっていて、遠くの島影が見えませんでした。
天の灰色と海の灰色が水平線辺りで溶け合って境が消えていました。

突堤で糸を垂れるおっちゃんに
『何がつれるんですか?』と訊ねると
『何もつれへん、ハハハ』と鷹揚な返事、ゆったりとした時間を楽しんでいる、そう思いました。
浜の内にあるゴルフコースには、早くから沢山の組がプレーをしていました。

海を後にし、鹿島さんに向かいました。
大塩の馬坂峠を越えて牛谷へ、そして中筋、阿弥陀を経て、鹿島さんに到着。
鹿島さんの参道では、人力車を引く背広姿の数人に出会いました。鹿島神社の対面にある鹿島殿では、参道を花嫁さんを人力車に乗せて引くようです。その練習を行っていました。もう一つ、いままであまり意識しなかったのですが、参道には占いの館が数軒あって、『占いの小道?』なる言葉を目にしました。私のような物見遊山には陰なるものが、これまで目に留まらなかったようです。
そして、鹿島神社の境内に入り、その後、高御位山に続く入り口となる高台に登りました。山麓に広がる阿弥陀、そして別所の町並みを望みました。心地よい風が舞っていました。

参道で、いつも立ち寄る店で柏餅を買いました。蒸籠で蒸し上がった白と草色の餅を柏の葉にくるんで、丁寧に包んでくれました。持ち帰る分とは別に、一つよもぎを頂きました。私は柏餅、葉っぱのまま頂きます。口に入れると葉の繊維でくしゃくしゃになるのですが、まるまる頂く、その贅沢があるのです。
口に含むと、店の女将が『あっ!』と声を漏らしました。
これが私の食べ方ですので、どうか気にしないで下さいね。

それから二号線を西に歩きます。
丁度昼時、店のチームメイトが順番に休憩を取っている頃です。でも、歩きだからいつ頃つくか分からない。やむなきことです。
そして12時半過ぎ、休憩所で休んでいるチームメイトを見つけ、そこで餅を二つ食べました。

暫し休憩の後、次はお城を目指します。
播但道の側道を歩き、天川の遊歩道を歩き、西を目指します。
新小川橋にたどり着き、家の墓掃除をする事にしました。
墓地は、そこいら中雑草が生えていました。春分やお盆であれば、綺麗に掃除され、献花されて、整然とした美しさを感じる場所なのですが、合間はこんなものなのですね。
枯れた花を捨て、墓の周りの草挽きをしました。そして、たわしで墓石の汚れをとりました。

そしてまた歩き始めます。
路地を通って、城を目指します。
開けた通りにでました。城郭、城内図書館にでました。
シロトピア公園に入って、お城を望みました。
城の天守は、大きな白い幌を被っています。平成の大修理が終わって、優美な姿を再び拝見できるのは二年先です。
公園内で、タキシードを纏った男性とウェディングドレスに身を包んだ女性が、並んで写真を撮られていました。とっているのはプロの女性写真家でした。
もしかしたら、どこかの結婚式場のパンフレット用かもしれない、そう思いました。
シロトピア公園内の花壇には、さまざまな花が咲き乱れていました。
微風に揺らいでいました。

図書館で暫し休憩を取りました。
雑誌を二冊読みました。

それから、散髪に行こ!そう思い立ち、二号線沿いにある散髪屋さんを目指して、東に歩きます。
散髪をして、そのまま自宅を目指してひたすら東に歩きました。
夕陽がにじんで見えました。
18時半でした。

家の手前でビールを買いました。
風呂に入って、夕飯を食べ、そしてビールを飲んで、寝床に入りました。
とても早い就寝となりました。

これまで、そう長歩きした経験はありませんでした。
一番歩いたのは、18歳の頃、大学祭のイベントで100㎞歩行というのがあって、ワンダーフォーゲル部の友達に誘われて出ました。決め手は、三食食事にありつけるという事でした。明け方、丘陵の道を延々と歩くコースが続き、その時は、この歩きはいつまで続くのだろう、とても不安を覚えました。そしてゴール10㎞手前で両足裏にできた豆の層が一度につぶれ、最後は、痛みに神経が麻痺した状態での完走でした。
その夜、銭湯に入って汗を流し、片町に飲みに行きました。そして、一件目のおでん屋で、大根を食しながら寝入ってしまいました。ほんと傍迷惑な男です。

そして30歳の夏、高知駅から桂浜を目指して歩きました。この時は、ほんと思いつきの旅でした。朝目覚めて、龍馬に会いたいと強く思い、その気持ちのままに家をでました。新幹線に乗って岡山で下車、特急電車に乗り換えて、瀬戸大橋を渡り、高知に着きました。
道路標識だけを頼って歩き始めたのですが、距離の割に全然着かないのです。どこかで方向を間違えたのでした。西に進んでいました。漸く太平洋にでました。
それから、浜に沿って東に進み、桂浜に漸く到着しました。夕方になっていました。
龍馬像のところで、暫く時を過ごしました。
土佐名物アイスクリンを食べました。

この度の長歩きで思ったこと、それは私、随分足が強くなったなぁという事です。
足もそうですが、気持ちもです。次はあそこに行く、疲れは波のように周期的に襲ってきますが、やがて疲れは治まって、気付けばまたぐんぐん歩いているのです。
道程では、引き返すことも立ち止まることも出来ないのです。ですから前を向いて歩く、そういう状況が人を強くしてくれるのだと思います。

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