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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2013年3月22日金曜日

『夢のような まだ夢のような ~落語家・桂枝雀七回忌~』を観ました。


今朝、選抜高等学校野球大会の開会式を観ようと、テレビをつけたところ、テレビの画面に桂枝雀さんの顔が写りました。
BSプレミアムアーカイブスで、2005年の番組
『夢のような まだ夢のような ~落語家・桂枝雀七回忌~』
が放送されていました。

しばし見入ってしまいました。南光さん、雀々さんを始めとする枝雀さんのお弟子さんや上方落語の重鎮達が、枝雀さんの思い出を語ります。
枝雀さんとは盟友であった桂福團治さんの、枝雀さんとの最後となった二人会の思い出話には、思わずぐっときてしまいました。
番組の中で、在りし日の枝雀さんの『鶴』を観ました。『鶴』は、大昔に購入した枝雀落語のCDで何百回と聴いた噺ですが、いやぁ、全身全霊で演じられる姿に、そして噺にすっかり魅了されました。

枝雀さんが亡くなられたのは、1999年の春でしたね。いつも聴いていた賑やかなラジオのパーソナリティー三代澤康司さんが、沈痛に声を震わせて番組を進行していたことを覚えています。
枝雀さんの命を奪ったのは鬱という病気です。同じ病気に苦しんだ者として、ましてや大の枝雀落語の一ファンとして、私も沈痛な面持ちになりました。
枝雀さんが亡くなられてから、今年で14年になりますが、枝雀落語大全をICレコーダーにダウンロードして、今でも毎日聴いて笑っています。

枝雀落語を一度だけ、生で観たことがあります。二十代の終わりの頃、加古川市民会館で、枝雀・べかこ(現南光さん)親子会がありまして、連中のタクロウさんと二人で観に行きました。
開場時間よりもずいぶん前に到着し、通用口辺りに車を止めて、車の中で待っていますと、タクシーが入って来て、通用口の前で止まり、枝雀さんとべかこさんの姿が見えました。二人はハンチングを被っていました。思わず賑やかに声をかけますと、枝雀さんはそそくさと通用口から中に入り、べかこさんは気の良い挨拶を返してくれました。
そして高座の一番前の席で、お二人の落語を観ました。
当日の演目はすっかり忘れてしまってますが、この日は特に、べかこさんの溌剌とした落語に大変引き込まれたことを覚えています。

3年前に、朗読をはじめようと思い立ったとき、朗読のトレーニングとして落語噺を朗読しました。『緊張の緩和』や『爆笑を誘う』訳ではないので、枝雀さんの60というネタにはない、米朝さんの持ちネタ『たちきれ線香』と、そして福團治さんの持ちネタ『藪入り』を朗読しました。朗読をして、初めて噺の世界を垣間見ることが出来ました。ともに2010年に落語朗読ビデオを作成し、Youtubeにアップしました。あまりの下手さは、視聴回数の少なさが物語っていますが、二話共に、とても人情深い、奥深い噺ですので、気力のある方は、一度チャレンジしてみてください。

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