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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2012年12月23日日曜日

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を観ました。


クリスマスイブイブの今日は、重々しい灰色雲に閉ざされたとても鬱陶しい一日でしたね。そんな中、クリスマス気分を味わえるものを探しました。

そしてクリスマスをシュールに描く名作アニメーション『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(原題:The Nightmare Before Christmas 1993年作品)を観ました。

人々に恐怖を授けるハロウィンタウンの化け物たち。
化け物たちは、今年もハロウィンを恐怖に彩り、町を凱旋します。しかし、一人だけ浮かない者がいました。化け物たちのリーダー”パンプキン・キング”のジャックです。
ジャックは、毎年代わり映えしないハロウィンの出し物がとてもつまらなくなっていました。
そして異世界に通じる森を彷徨ううちに、雪に閉ざされた町クリスマスタウンに迷い込みます。クリスマスタウンは、ハロウィンタウンとは何もかも違っていました。家々もそして家の中も、カラフルな色で彩られ、住人たちは笑顔が溢れています。
ジャックは、クリスマスタウンで二つの事を知りました。
クリスマスタウンの住人たちは、クリスマスの日に世界中の子供たちにプレゼントを届けるという楽しみを持っていること
そして、そのプレゼントを配達するのが、彼らの王、真っ赤な服に身を包んだ大男サンディ・クローズ(かぎ爪を持つ怪人)であることをです。

ジャックは、クリスマスタウンの住人に代わってハロウィンタウンの化け物がクリスマスを取り仕切ることを企みます。ジャックにとってそれはワクワクする企みとなりました。
まずは化け物たちに、恐怖のプレゼントを作らせます。
マッドサイエンティストのフィンケルスタイン博士に空飛ぶ骸骨トナカイとソリを、そしてガールフレンドの人造人間サリーに真っ赤な衣装の制作を頼みます。
そして極めつけは、サンディ・クローズの誘拐です。

ジャックは、クリスマスの出し物の準備をすべて整え、クリスマスの夜に人間世界目指して飛び立ちます。ジャックは煙突から、暗闇から部屋に忍び込み恐怖のプレゼントを忍ばせます。やがて町中に子供たちの恐怖の叫び声があふれ出しました。ジャックは、しばし味わう事のなかった達成感を覚えますが、やがてそれは間違いであることに気づきます。
ジャックは、待ち受ける子供たちが喜んでくれると期待していましたが、子供たちは恐れ、クリスマスをそしてサンディ・クローズの訪問を拒否します。そして人間世界では本物のサンタクロースが誘拐されたことが報道され、空を駆けるジャックは、軍隊から放たれた砲弾によって打ち落とされてしまいます。

天使の像に受け止められたジャックが目覚めます。そしてジャックは気づきました。クリスマスは愛や喜びで満たされ、それを運ぶのがサンタクロースの役目であることをです。
と同時に、ジャックはハロウィンで新たな悪夢を演出する楽しみを得る事ができました。
ジャックは、ハロウィンタウンに戻りサンタクロースを解放します。サンタクロースは世界中を愛と喜びで満たすために飛び立ちました。

その夜、ハロウィンタウンに真っ白い雪が降り積もりました。サンタクロースからのプレゼントでした。サンタクロースとジャックは互いにエールを交換しました。
『ハッピーハロウィン!』
『ハッピークリスマス!』

end

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』は、とてもユニークな映像作家ティム・バートン監督の創作物語です。私はティム・バートンの作品の中では特に(そして意外に)シュールで怪異的な作品が好きです。
『ビートルジュース』(Beetlejuice 1988年作品)
『バットマン』(Batman 1989年作品)
『シザーハンス』(EDWARD SCISSORHANDS 1990年作品)
『スリーピー・ホロウ』(Sleepy Hollow 1999年作品)
『コープスブライド』(Corpse Bride 2005年作品)

この『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』もシュールな怪異的物語です。そしてティム・バートンは化け物に愛情があるのでしょう、ハロウィンタウンの化け物たちはとても活き活きとして、可愛らしく描かれているのですが、方やクリスマスタウンの妖精たちは木偶人形の様で表情がなく、またサンタクロースはどう見ても悪党にしか見えません。
ですが、物語の中には一人も悪党はいません。(悪党面の悪霊ウギー・ブギーはいましたが、とてもとても弱き者でした。)ハロウィンタウンの妖精たちもクリスマスタウンの妖精たちも、人々が求める夢を叶えるために一生懸命です。そしてそれが喜びとなっています。
私たちは、私たちの欲望(恐怖体験、あるいは幸福体験)を叶えるために働いてくれている妖精たちに感謝しなければならないなぁ、なんて思います。

今日は12月23日、クリスマスの真夜中まで、後一日とちょっとです。
クリスマスタウンは、今頃きっとサンタクロースの出立準備で大忙しなのだろうなと思います。

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