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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2011年4月12日火曜日

福島原発事故が、ついに最悪の『国際評価尺度でのレベル7』に引き上げられました。

3月11日に起きた『東北地方太平洋沖地震、4/1地震に伴う原子力発電所事故災害を含めて「東日本大震災」と呼称することを閣議で決定』、また以降も治まることなく巨大地震(余震)が群発する中で起きた福島原子力発電所事故が、今日12日、原子力トラブルの国際評価尺度(INES レベル0~7)で、ついに1986年、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と同等の、最悪『レベル7』に引き上げられました。

気象庁のホームページで、本震を除くM5.0以上の余震回数(ヒストグラム・回数積算図)(計測期間 2011/03/11 14:46 ~ 2011/04/12 08:00)を見ると

http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/2011_03_11_tohoku/aftershock/

3/11(金)14:46頃に三陸沖を震源とするマグネチュード9.0の巨大地震が発生した以降も、東日本で頻発した余震は3/23を境に、回数が減り、本格的な被災地調査・復興作業の着手、また原発事故の本格的な対応が始まりましたが、M6.0以上の余震は4月に入っても都度発生し、4/7(木)23:32(宮城県沖を震源とする、震源の深さ約40㎞、マグネチュード7.4)、そして4/11(月)17:16(福島県浜通を震源とする、震源の深さ約10㎞、マグネチュード7.1)にはM7.0以上の巨大地震が発生しました。

巨大地震発生の警戒レベルは一度、引き下げられましたが、地震においても最高レベルの警戒がまだまだ必要である事を思い起こさせられ、この様な、長期的な不安が続く中での被災者、また被災地調査・復興に携わる方の肉体的ばかりか、精神的疲労は如何ばかりか、どうすればよいのか、全くわからなくなります。

また、福島原子力発電所事故も、IAEAそしてアメリカの支援も受けて、最悪の事態(私には、どういった事態が最悪なのかわからなくなってしまいましたが・・・)を避ける作業を、現場で対応される方は命がけで行われているのに、それさえも拒む巨大余震は、もはや人知では太刀打ちできない事態まで来たのか、そう思い起こさせられた、今回の『レベル7』への引き上げです。
チェルノブイリ原発事故は、人為的ミスによる原発爆発という事故によって、周辺地域の甚大なる放射能汚染が問題視されました。当時は、気象の状況によりヨーロッパ中に放射能汚染が拡がるという流言が拡がりましたが、そこまでの放射の汚染はありませんでした。
しかし、福島原発事故は、稼働3基、休炉3基、すべてが被害の大小はあるものの、問題を抱えたままで、被災・事故発生から一ヶ月が経過しました。なんとか、炉心溶融がこれ以上進まないよう、冷却のための電力回復は実現しましたが、それ以上の処置が取れないまま、放射能レベルは上がり続け、汚染された水の排出問題、そして建物の破損問題も手が付けられず、これ以上、大規模余震が続くようであれば、作業者を全員避難させなければいけません。
昨日のニュースで、放射能事故対応ロボットの開発を進めているという記事を目にしましたが、・・・戦争や製造工場では、人が必要なくなるほどにロボット化、スマート化がこの20年で進んできたのに、逆に人を守るための先端技術(ロボット化、遠隔化、スマート化)が、全く疎かにされてきたこと、今嘆いてもしょうが無いですが、本当に腹立たしくなります。

地震発生の数週間後に、池上彰さん解説の今回の地震に関する問題の解説番組をテレビで観ていて、万一原発が爆発、炉心が爆発しても、それは原子爆弾の爆発とは全く違ったものある、という解説に少し安堵しました。
稚拙な解釈ですが、原爆は、一気に核分裂反応を起こして巨大な運動エネルギーが一気に放出されるのに対して、炉心は、核分裂反応を抑制・コントロールしているために、急激な核分裂反応を起こすことはなく、そのため、放出される運動エネルギーも心配するほどのものではない、その様な内容であったと思います。
嘘でもいい、そうであって欲しいと思いますし、池上さんには失礼になりますが、何故に一介のジャーナリストの解説でしか安心が得られないのか、池上さんが常々よく仰る『新聞ですら、多様な読者を想定して、分かりやすく伝える努力をしない』という苦言のメッセージを大きな紙に書いて、政府の広報者、ニュースのアナウンサー、新聞の解説者、また専門分野の学者の前に広げて見せて、『専門バカで終わるな!国民をバカにするな!もっと賢くなれ!』と叱責したくなります。

何の手立ても講じられぬまま、最悪の事態を迎え、さらにこの先、どうなるのかさえも分からない現状に対して、少しでも国民が、世界の人々が安心できるメッセージを日本国民の長である菅直人総理大臣自らが、迅速に且つ、リーダーとしての強い意志を持って、分かりやすく説明し、そしてどの様に対処するのか、日本国民や、また世界の人々に依頼する事項があれば、真摯に、また端的に伝えて欲しい、そう願います。

今、日本政府ができることを、今すぐして欲しい、そう願います。

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