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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2017年6月2日金曜日

戦争の足音

今朝の新聞の一面に、日本海に派遣された米国海軍の二隻の空母と日本の海上自衛隊の艦船二隻を含む二十二隻の大艦隊が隊列を組んで航行する写真が掲載されていました。艦隊の上空には航空自衛隊の戦闘機が隊列を組んで飛んでいます。
大規模な軍事訓練は、核弾頭と大陸弾道ミサイルの開発でアメリカにチキンレースを挑む北朝鮮に対する武力による威嚇行為でもあります。

日本にとって北朝鮮の万が一の暴発は、太平洋戦争以来の日本国ならびに日本国民を最悪に陥れるかもしれない脅威です。そういう意味でも、武力衝突は絶対に避けなければなりません。しかし日本は、北朝鮮から交渉の相手と見なされておらず、独自に外交する術もありません。ただ事態を見守るだけで為す術がないのが実情です。

ここにきて思うのは、何故に北朝鮮は、無謀とも思えるチキンレースをこうまでしてアメリカに挑むのかという事です。戦争をすれば、北朝鮮がアメリカに勝つ可能性は限りなく零でしょう。(しかし、隣国である韓国や日本は多大な被害を被るでしょう。それが理由の一つとなって、北朝鮮になかなか手出しが出来ないのです。)
北朝鮮の無謀ともいえる挑戦の意図が、どうしても理解出来ません。北朝鮮の指導者は、常軌を逸しているけれど、気が触れている様には見えません。
北朝鮮は、国民を疲弊させる暴君の独裁国家というイメージからは想像も出来ないほどに科学技術が進んでいる様子です。今や世界でも有数のサイバー軍を組織し、核弾頭やミサイル開発では、既存の核・ミサイル保有国を驚かすハイスピードで完成を間近にしようとしています。

北朝鮮は、どこに向かおうとしているのでしょうか?しかし政府もマスコミも、北朝鮮の脅威は煽っても、何故に今の北朝鮮があるのか?、そしてどこに向かおうとしているのか?、日本との本質的な関係は?、等々ほとんど報道されることはありません。
北朝鮮は核・ミサイルを独自に保有することによって、世界の勢力均衡の一角を占める国になること、そしてアメリカと対等に交渉できる国になることだと言われていますが、もしそうなら、これまで北朝鮮を手厚く保護してきた中国やロシアにとっても傀儡できない国になるということで、黙って許すことはないでしょう。

20世紀の終わりに、バルカン半島の民族紛争が沈静化した後の世界を揺るがす脅威が、東アジアで起こると当時の未来学者は予言しましが、中国かロシアか(もしかしたらアメリカが)朝鮮半島に侵攻する様な事態が起これば、それが引き金となって、勢力均衡が崩れた世界で、再び覇権者となるべく帝国同士が衝突し、世界を二分する大戦争に発展する恐れも考えられます。

その時、日本はどうなるのでしょう?
日本は、他国を侵略する戦争を放棄した国です。すべての国が、日本と同じであれば良いのですが、如何せん、侵略戦争を放棄した国は世界の中で唯一日本だけです。
近隣で戦争が起これば、日本も当然に巻き込まれるでしょう。国を守って戦うための法整備も、戦略的な備えも、そして国民ひとり一人の国を守って戦うという心構えも、すべてが未整備のままであれば、押し寄せる侵略者にあっという間に呑み込まれ、日本自体が無くなってしまうかもしれません。

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