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差別の天秤

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2015年12月11日金曜日

戦争は「起こるものでなく起こすもの」

ひとたび戦争が始まってしまったら
誰にも止めることはできません
たとえ途中で間違いだと気づき
こんなはずではなかったと思っても
手遅れなのです

映像は使い方によって強力な武器となります
国民を動かし
戦争へ積極的に協力するよう導くのです


昨夜、NHKスペシャル「憎しみはこうして激化した~戦争とプロパガンダ~」を観ました。このドキュメンタリーを観て、戦争は「起こるものでなく起こすもの」、あるいは「作るもの」という事を実感しました。
そして、戦争を起こす国の指導者が如何に巧妙に、プロパガンダ(政治的意図を持つ宣伝)によって国民を戦争に向かわせたのかを知りました。

人は何故、戦争に向かうのでしょう?
召集令状(赤紙)という、国家というものからの拒むことができない命令があるからですが、だからといって、人は容易に人を殺すことなどできません。この「人殺ししない」という道徳心を人から奪うものが「憎しみ」であり「怨み」です。
この「憎しみ」や「怨み」を、国の指導者は、プロパガンダによって人々に植え付けて、敵を殺すことへの「ためらい」を奪い、そして人殺し、大量殺戮を「容認」させたのです。

そしてドキュメンタリーの最後に、当時アメリカ海兵隊員で戦地の映像撮影を指揮してたノーマン・ハッチ元少佐(94歳)のインタビューがありました。
冒頭のメッセージは、このハッチ元少佐の言葉です。

アメリカの指導者は、国民の戦意を高揚するために、また戦費を集めるために、そして容赦ない殺戮と新型爆弾(原子爆弾)の使用を肯定するために、敵である日本人を日本兵を、屈強で血も涙もない殺人モンスターに仕立て上げ、人類の敵、殲滅しなければならない悪に仕立て上げたのです。

何のために?
それは、
戦争を起こすため、戦争を続けるために
です。
そして、
敵の尊厳を奪い、命を奪い
自国民の良心を奪い、命を奪うのです。
これが戦争です。


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