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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2013年8月29日木曜日

「車をハッキング」

8月のニュースで、一番驚かされたのが
「車をハッキング」(8月5日(月)の記事)でした。
今年のラスベガスで開催されたハッカーの祭典「デフコン」で、トヨタのプリウスやフォードのエスケープへのハッキングを成功させた事例が発表されたのです。
発表したのは、アメリカ国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency)の助成を受けたTwitter社の研究者チャーリー・ミラー氏です。
ミラー氏は車載ソフトの解析で接続に成功。運転手の意思に反して急加速やブレーキを利かせたり、ハンドルを動かしたりしたほか、エンジンを切り、残り少なかった燃料計を満タンとして表示させる様子などを映像とともに披露しました。
そして、『今回は有線接続での実証だが、無線でもできる。』と語っています。

そして昨日、日産自動車が「自動運転車」を2020年までに発売すると発表しました。
近未来を描くSF物語には、行き先を告げれば乗組員を運んでくれる乗り物がよく登場します。そんな乗り物「自動運転車」があと7年ほどで実現するのです。
ですが、現在の自動車も半自動運転車といえると思います。センサーで知覚を得た車載ソフトとドライバーである人間のハイブリッドです。現在の車載ソフトは、人間の未熟な運転技術をサポートし、安全走行、安全停止をサポートします。

この「自動運転車」や「半自動運転車」が、外部からパソコンの様に簡単にハッキング(進入)されるとしたら、またクラッキング(破壊)されるとしたら・・・、とても恐ろしい世界を想像します。乗り物はハッキングされた瞬間に牢獄と化し、乗組員は囚人となり人質となるのです。まさに高度な文明が招くテロルの時代を想像します。

そして問題は、車だけに止まりません。現在ではあらゆる電化製品が、トラフィックが、ライフラインが、セキュリティーがインターネットに繋がっています。サイバー空間を制した犯罪者が、一夜にして世界を破滅に追い込むことは可能であると思います。

私たちは何故に車を愛するのでしょうか、それは自らの力でドライブを楽しみたいからだと思います。地図を調べてルートを頭に入れて、道路標識を頼りに、風景を頼りに、ハンドルとアクセルとブレーキとギアを駆使して、目的地に車を走らせるのです。
車はあくまでも道具として、自らの力で技倆で走るのです。

私たちは、この喜びと技倆を決して捨ててはいけないと思います。高度な文明にどっぷりと浸かるのではなく、裸の自分を大切にすること、そして自らが支配できる道具を得ること。それがこれからの世界で、本当に生き抜ける鍵ではないかと思います。

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