播磨の国ブログ検索

映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2020年2月4日火曜日

ケセラセラと苦渋の狭間

若い頃、河島英五が歌う「野風僧」が紡ぐ生き様に大変憧れました。こんな風に人生が歩めたらと願ったものでしたが、様々な病気を経験する度に心が閉ざされていき、いつしか大切な家族にとって、大切な友人にとって、何の価値も無く邪魔なだけの木偶の坊になってしまっていました。

それでも自分の役立ちを見つけて細々とこの十年近くやって来て、新年に改まり60になる今年を元気に歩もう、そう思って元旦の日、寒風の中久しぶりに長歩きをしました。歩き終えて「今年はやれる」という充実感を覚えたのですが、どうやら体は、心臓は違っていたようでした。

2016年に狭心症の症状が何度か起こり、掛かりつけの医師の機転で専門病院にすぐに入院出来たことで、その後に発症した、はじめて起こった本来は致命的な心室細動も病室のベッドの上であった為に、迅速な救命処置により後遺症も無く蘇生し、なおかつ心室細動に唯一有効な医療処置ICD埋め込み術も受けられました。その一年後に一度ICDが作動する、心室細動が起こりICDが検出して除細動の電気ショックが起こることがありましたが、その後は不整脈の発生が激減して、この一年ほどは心臓の脈は正常拍を刻み続けていました。そして病気を忘れるほどでした。

しかし、1月入ってから間近で私を観ている妻は寝息等から異常を察してくれていました。
そして1月7日の午後、母のトイレ介助の最中に不快な感覚を覚えたその直後に意識を失い倒れました。ICDの除細動処置によりすぐに意識は戻りましたが、体は著しく弱り、すぐ後にインフルエンザにも感染して酷い症状が続き、数日寝込みました。
30日に、2月の半ばカテーテルアブレーション術を受ける予定が組まれ、待機を始めた2月2日に再びICDが作動しました。
その日に入院となりました。現在は短い不整脈が頻繁に起こっている状態で、自覚症状としても体がとても重いです。
入院してからの検査で、心臓の収縮機能が正常時の七割八割程度に落ちている事が判明し、明日から心臓の異常を調べる検査が始まります。その結果によって治療方針が決まります。
本人としてはケセラセラを受け入れていますが、家族としてささやかな役立ちさえ果たせなくなったことが苦渋です。

0 件のコメント:

コメントを投稿