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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2013年1月25日金曜日

アルジェリア人質事件


アルジェリアで起こったテロリストによるガス田施設襲撃事件は、多数の人命が奪われるという悲劇で幕を閉じました。
アルジェリア軍600名に守られたガス田施設が、未明に60名のテロリストに襲撃され、施設で働く多くの民間人、外国人が殺害され又、人質にされました。そしてその翌日、アルジェリア政府は、関連諸国に通告することなく、大規模な軍事行動によってテロリストを制圧しました。その制圧作戦でも多くの死傷者がでた模様です。そしてこの襲撃に巻き込まれて日本人10名も無残に殺されました。

私たち日本人には、考えられない、理解できない非道です。それはテロリストも、そしてアルジェリア政府も同じです。しかし、現在の北アフリカが抱える問題を知れば、アルジェリア政府の行動には、一定の理解を示すことができます。
アルジェリアの隣国マリは、現在アルカイーダの一大拠点となりつつあります。アルカイーダはイスラム原理主義者のテロリスト集団とされていますが、この度の悪行、非道を見ると、イスラム原理主義への回帰を隠れ蓑にした、単なる盗賊集団です。彼らは貧しい人々に飴を与えてシンパを増やし、やがては彼らを鞭で従わせて、兵士に仕立てるのです。そして聖戦の名の下に彼らを人間爆弾に仕立てて甚大なテロ行為を繰り広げます。アルジェリア国内では、この二十年余りの間に15万人に及ぶテロによる貴い犠牲があったといいます。そして資源開発はアルジェリア国家を左右する重要な事業です。今回の事件は、その二つが同時に標的にされたのです。そしてアルジェリア政府は、襲撃に端を発した国家存亡の危機に、渾身の武力でもって、それを回避したのです。
私たち日本人は、時間をかければ妙案が生まれると考えがちですが、世界には、時間を要すればなおのこと悪化するという事実があることを、今回の事件で身につまされました。

私たちは、秩序を求め、治安を求め、ともに生きる事を求めます。ですが世界には、その三つの欲求を破壊して、混沌を求め、その混沌の世界の中で支配者になろうと企む者がいることを知りました。
そこには宗教、民族、肌の色という連帯も、大政を司る主義主張もありません。そこにあるのは、ただ欲望のままに生を貪ることだけです。
そして彼らは、人類が築いた歴史的遺産にも敬意を示すことがありません。ですから破壊に躊躇がないのです。2001年、彼らはアメリカを標的にした大規模なテロを行いました。そして2013年、彼らの次の標的はフランスだといいます。私は、パリが燃えるのを絶対見たくありません。そして同時に、私たち日本人にとっても、もう他人事ではありません。今後は日本も、日本人も標的になる可能性が高いと思います。それは現在、日本が混沌とした社会へと陥っているからです。彼らはその隙を突いて、日本の中に、日本人の中に深く潜入してくるでしょう。ですから、私たちは、強い連帯と希望と、そして秩序をこの日本に取り戻さなければならないと思います。

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