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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2013年1月25日金曜日

情操教育の本丸である学校を取り戻そう!


部活動での体罰が原因と思われる生徒の自殺、この事件にとても深い憤りを覚えます。

世の中は、体罰を圧倒的に否定する意見が正義となって、体罰は時代錯誤、体罰は暴力と決めつけてシュプレヒコールをあげ、体罰をした教師は処罰され、体罰を容認した学校は容赦なく糾弾されます。

人の命は、とても尊く、とても重く、到底釣り合うものなどありません。(そう、無い筈です)しかし、人の命の尊さを知る、実感する、学ぶ教育がどんどん奪われているように思います。

私たちは、いつ、どこで、命の尊さを学ぶのでしょうか?
私は、小動物を飼ったとき、それがあっけないほどに早く死を迎える様を見て、命の儚さを知りました。
食事の時、ご飯粒一つでも残そうものなら、もったいないと父に酷く叱られ、命を粗末にしてはならないとすりこまれました。
学校でいたずらをして、先生にこっぴどく叱られ、悪いことをすると酷い目にあうことを学びました。
喧嘩をして殴られて、殴られる痛みを知りました。
そして、人を殴り、殴ると、その殴った手と、そして心に酷く痛みが残ることも知りました。

昔、いたずらをすると、先生に叩かれたり、廊下に立たされたり、罰として掃除をさせられたりしました。さらに、先生に叱られたことが親に知れると、家でもこっぴどく叱られました。子供の頃は、いつも理不尽な目に遭っていたのです。ですが、理不尽な目に遭ったから、あるときはじたばたし、あるときは観念し、あるときは向き合う覚悟をしました。しかし、不幸中の幸いか、外因による死を覚悟した経験はありません。
ですが、死に魅力を覚えた事もあります。それは、躁鬱症状が激しいとき、自分自身に全く自信を見いだせず、自分がとても役立たずに思えて、そんな時死に誘われて楽になりたいと願いました。内因で、死を求めていたのです。

私たち人は、体が壊れたとき、もしくは心が折れたとき、死に直面するのだと思います。
体が壊れるとき、それは傍目にも分かります。ですが、心が折れる音は本人でなければ聞こえません。しかし、この心を強く保つ手段はあります。
”三本の矢”の教訓です。一本の矢では簡単に折れるが、三本まとめると容易に折れない。結束すると強くなるという教訓です。私たちは、ひとりでは生きていけません。志もひとりでは叶いません。志を同じくする者が集まって、苦楽を共にし、互いに支え合うことで、心を強く保つことができるのです。また、ひとりですべての責任を負うこともできません。皆で責任を分かち合い、また互いに補うことによって信頼が芽生え、それがそれぞれの責任を全うする推進力となるのです。
ですから、私たちは共に心の束となれる仲間、友、家族が必要なのです。

では、心の束を結ぶ力はどこで養うのでしょう?私は学校こそ、その力を養う最初の場であったと思うのです。学校は、ただ上の学校を目指すための、また良い仕事に就くためだけの一里塚ではありません。学校は、子供にとって1日の大半を過ごす、もう一つの家であったと思うのです。教師は、もう一人の父であり、母であり、兄であり、姉であったのです。ですから、教師と生徒の間に、情が生まれ、思慕の念が生まれたのです。その温かさが、子供の情操を豊かに育んだのです。

しかし、今の学校はどうでしょうか?外部(保護者、マスコミ、知識人、政治家、企業)の過剰な欲求(これをしなければならない、あれはしてはならない)に振り回されて、自助の機会を奪われ、一番大切な子供の情操を豊かに育む事が難しくなっています。
小さな事かも知れませんが、今学校では、子供を罰として立たせたり、拘束することが、体罰として一律に禁止されています。ですから、情緒が不安定な子供は、ほったらかしにするしかないのです。学校に秩序を維持する力がなければ、当事者である教師や生徒にはストレスだけが募ります。これこそが、学校崩壊の真因だと思います。
そして、情操を豊かに育む事ができなかった子供がやがて大人になり、社会を運営する立場になったとき、社会崩壊が始まるのだと思います。

ですから、今わたしたちは、学校を教師を敵視するのではなく叩くのではなく、学校の不可侵を保証し、教師の地位を保証し、自助努力を促すことこそ必要です。生徒も保護者も地域社会も、学校を守り立てることに努力すべきです。それが秩序ある学校を取り戻す、豊かな情操教育を取り戻る唯一の道だと思います。

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