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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2012年4月14日土曜日

公開が待たれる映画『ホビット』二部作


映画.comのサイトに
『ホビットへの道』”ROAD TO THE HOBBIT”が立ち上がっていました。
http://eiga.com/official/hobbit/chapter1/

21世紀の初めに、ニュージーランドの気鋭ピーター・ジャクソンが放った遠大なファンタジーの叙情詩”THE LORD OF THE RINGS”三部作の前章にあたる物語です。

原作は英国の文学者であり作家J・R・R・トールキンが創造した、もう一つの地球、”Middle Earth”の神話です。
J・R・R・トールキンは、英国には北欧神話やギリシャ神話に匹敵する物語がないとして、自ら”Middle Earth”の神話を創造しました。
神(エル)が世界を創造し、生き物を創造し、言葉を創造します。そして最初の善悪の戦争までを描いた作品が『シルマリルの物語』です。
そして悪の帝王サウロンが、”Middle Earth”を支配するために、絶対的な魔力を持つ一つの指輪を鋳造します。そして再び起こった善と悪との戦いの最中、人の子の剣に指を切り落とされて、サウロンの肉体は消滅し、指輪は誰の手にも届かぬ処に廃棄されますが、それを偶然にも拾ったのがホビット族のゴラム。ゴラムは指輪の魔力に毒されて怪物に変身してしまいます。そして長き時間を経て、冒険好きのホビット、ビルボがその指輪探索の旅をする。それが今作品『ホビットの冒険』です。
そして、神話のハイライト
息を吹き返したサウロンは、悪の手下を呼び集め、失われた指輪の探索を始めます。指輪にはサウロンを完全に復活させる魔力がありました。その恐怖をいち早く察した善の魔法使、灰色のガンダロフは、指輪を完全に滅ぼすために、ビルボの甥で、現在の指輪の持ち主フロド、フロドの家人、そしてエルフ、ドアーフ、そして人の子の勇者を伴って、サウロンが指輪を鍛えた、そして唯一指輪を滅ぼすことができる滅びの山の火焔に魔力の指輪を投げ入れるために旅に出ます。この苦難の旅、旅の仲間との友情、悪の退治、善の復権までを描いた作品が『指輪物語』です。

私は映画”THE LORD OF THE RINGS”に夢中になりました。
三部作全てを、公開されるや、いち早く観ました。
小説も買って読み、『指輪物語』辞典なるものも買って読みました。
ファンクラブにも入会し、発売されたDVDは全て買い、何度も観ました。
一種の熱病に冒されていたようです。(元来、夢中になると他のことが全く見えなくなる質なのです。)

でも神話って、ほんと魅力的ですね。
でも古典的な神話と異なり、トールキンの描いた神話には『エロス』がありません。それはトールキンが学者であり、詩人でなかったことが一因ではないかと思います。
ギリシャ神話を始め、古典的な神話や神典には時の詩人が関与して、『エロス』を含めた人間臭さがしっかりと描かれています。神話とは、継承者が物語を補完し膨らませ、より豊かで濃密な物語に発展し続ける物だと思います。
今映画作品『ホビット』では、前作『指輪物語』に増して、人の内に生まれる愛憎、欲望そして希望が描かれていることを期待します。

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