播磨の国ブログ検索

映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2011年3月15日火曜日

日本の国難に際して、私たちが取り組まなければならないこと

3月11日に東日本を襲った地震は、有史以来最悪の自然災害となり、また、これまで人類が経験したことのない放射能災害を引き起こそうとしています。

未曾有の津波、激震、地盤沈下、それに伴うライフライン、建造物の壊滅、そして多くの人命が失われました。地震発生から4日です。これからも、日一日甚大なる被害実態が明らかになるでしょう。私たちはもはや、悲しみを通り越して、この国がどうなってしまうのかという、漠然たる不安を感じ始めています。

阪神大震災を経験した私は、数週間後、電車が三宮まで復旧し、乗り込んだとき、まだ陽が明け切らない、長田界隈に灯りが一つもない不気味さを感じ、そして三宮に降り立った時、多くのビルの崩壊を目にしました。フラワーロードは波打ち、ところどころでアスファルトが裂けていました。バスに乗り込み、芦屋駅まで43号線を走りましたが、バスは橋脚が折れて横倒しになった阪神高速神戸線の下を暫く走り続けました。道の沿線にあるマンションはどれもバルコニーが崩落していました。東灘から芦屋に掛けては、崩れた木造家屋をただ眺めるだけでした。
あの震災は、それでも都市災害、地方災害という扱いであったと思います。マスコミのキー局はすべて東京にあり、マスコミの報道と被災地域に住む私たちとでは温度差がある、そう感じたものです。

ただ、この度の地震は、東北、関東の多数の都県が被害に見舞われ、震源被災地はもとより、日本の政治、行政、経済、文化等すべてを司るあらゆるシステムの中枢都市東京が麻痺状態に陥っています。

今回の災害は、未曾有の自然災害であるとともに、何年も前から予測されていた災害に対して、具体的な対策(国家レベルでの対策)を講じてこなかった人的災害とも見なせる、と感じています。ただ、現時点では非難をする場合ではなく、国家レベルでこの国難を、どう乗り越えてゆくか、それを考え、実行しなければいけません。

まず、菅首相には、国家非常事態宣言を発令され、被災地ではない西日本にも、被災地への物資、また人的派遣を要請するだけではなく、国家レベルで、日本人全体でこの国難に対応する様々なオプション、たとえば『疎開』、『ホームスティ』等、考えられる短期的、中期的、長期的施策を、救援活動、原発事故対応と並行して進める必要があると考えます。
家族の離散という非情を伴うことになるかもしれないけれども、幼子を抱える女性や、妊婦の女性、保育・教育の必要な子どもたち、年配者、身体に不自由を抱えておられる方、病気の方を速やかに安全な土地に避難し、日本人みんなで被災者に安全な生活を提供し合う、助け合う事も一つの政策ではと考えます。但し、政策を実行するには、首長たる者の強い意志と、誠実さ正直さが必要です。

原発被災による予測不可能な放射能問題については、IAEAに協力要請をされていますが、自衛隊も東京電力も対応できない現在、指揮権をIAEAに渡して、世界の英知を結集して、この問題の解決に全力を注ぐことです。それが強いては、今回の原発被災の影響で各国で再熱している性急な原発廃止論に歯止めを掛け、原子力発電の更なる安全性の実現を目指すと共に、次世代のクリーンエネルギー開発と供給という世界規模の連携を果たす試金石になればと考えます。

中長期ビジョンとしては、道州制への移行を本気で考えなければならない、そう考えます。一都市(東京)が破壊されることで、日本が滅びる事のないよう、たとえばGDPレベルおよび人口レベルの均等化等で、3つ程度(東日本、中部日本、西日本)の道、もしくは州に分けて、首都には政治のファーストキャビネット程度の機能役割に留め、万一首都が破壊された場合は、州が合議制でセカンドキャビネットを組み、国を運営する。
各道、もしくは州には、政治、行政、エネルギー、経済、食料、文化、防衛等すべての内政権限を委譲して、独自に運営させる等、思い切った日本国家の在り方を見直さなければいけないと考えます。

今回の地震は、国家の存亡に関わる事態であるけれども、だからこそ、疲弊した、もしくは有害でしかないシステムを破棄し、二重三重のセーフティを持つ、国家システムを再構築する絶好の機会と捉えるべきと考えます。

それが、被災された方、そして亡くなられた方への哀悼と新生日本の力強い復興の誓いとなり、且つ、将来の日本人へ引き継ぐ『精神』『心』『愛』だと信じます。

0 件のコメント:

コメントを投稿