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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2015年9月19日土曜日

「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」に出会いました。

そして昨日夕方、さらに久し振りにジュンク堂でぶらぶらと本探訪しました。
話題本のコーナーで、一冊の絵本に目が留まり、手に取り立ち読みしました。
その絵本のタイトルは
「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」といいました。
くさばよしみ 編、中川学 絵と表紙絵に描かれています。

以前テレビで武田鉄矢さんが紹介されていた「せかいでいちばんつよい国」というタイトルの絵本を思い出し、この絵本もきっと今の世の中へのアンチテーゼを描いたおとぎ話なのだろうと想像しながら読み始めました。
でも、おとぎ話だと思っていた話は、実は本当にある小国の大統領が、ある国際会議でスピーチした内容でした。
その大統領とは、南米ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領です。
2012年6月にブラジルのリオデジャネイロで開かれた各国首脳レベルが集う「環境と開発に関する国際連合会議」(リオ+20と呼ばれる)で、大国の首脳から持続的な開発を謳うスピーチが続いた後、最後にホセ・ムヒカ大統領が登壇し、このスピーチを行いました。
この会議の模様をネットで調べてみると、あるサイトに次の様に書かれていました。
----引用----
http://hana.bi/2012/07/mujica-speech-nihongo/
リオ会議では各国首脳が集まり、地球の未来を議論し合う場なのに、各国首脳は自分のスピーチを終わらせたら、ひとり一人と消えて行ってしまいました。世界中から何時間もかけてこの場に来ているのに、みな人の話は聞かず自分のスピーチで済ませている代表者が多いリオ会議だったと思います。
ウルグアイのような小国の大統領は最後の演説者でした。彼のスピーチの時にはホールにはほとんど誰もいません。そんな中、カメラの前での残したスピーチは、その前まで無難な意見ばかりをかわし合う他の大統領とは打って変わって、赤裸々に思っていることを口にしています。世界で最も「貧乏」な大統領といわれているエル・ペペ(愛称)が世界に対してどんなメッセージを残したのでしょうか。私にとってはいつも考えなければならない重要なスピーチにもなりました。
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私も、このブロガーと同様に、ホセ・ムヒカ大統領のスピーチを読み進めるうち、共感だけでなく、言いようのない苦みも覚えました。
普段なにげに思っていても、たとえ言葉にしたとしても、今自分が生きている世界への冷笑や皮肉で終わらせてしまっている事柄、今私たちが誰かの利益のために強要された幸福の定規に苦しめられている事柄を、ホセ・ムヒカ大統領は、誠実に、そしてとても分かりやすい(子供でも大人でもだれでも)言葉で、それは間違っていると話されていました。
メッセージの中でホセ・ムヒカ大統領は、古代の賢者の言葉を紹介されていました。
「貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」

ホセ・ムヒカ大統領は、国民の中から、国民みんなの親しみと尊敬で大統領になった方なのだと思います。あまり経済的に豊かで無い国の、一人の国民として、でもそんな祖国の中に国民みんなが共有できる幸せを見出して、自ら率先して幸せを喜ぶ、楽しめる人なのだと思います。
親しみと尊敬をいだく事ができる自分たちのリーダーを持つことが出来たウルグアイの人達が、本当に羨ましく思います。

そしてこの絵本、次は必ず購入して、心を尽くして朗読したいと思います

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