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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2013年11月15日金曜日

BS世界のドキュメンタリー「模倣品社会~命を脅かすコピー商品~」に、戦慄を覚えました。

先日、BS世界のドキュメンタリー「模倣品社会~命を脅かすコピー商品~」(再放送)を見ました。
この番組の内容には真に戦慄を覚えました。

ひとつは、薬のネット通販がにせ薬流通の温床となり、多くの死亡事件を引き起こしているという事実です。
カナダの事例でしたが、
まるでカナダ国内の大手通販サイトを偽った通販サイトを立ち上げて、高価な薬をディスカウントで販売します。
購入者に届いた薬は、商品パッケージだけを似せた全くの紛い物で、その成分には人体に有害な物質(放射性物質など)が含まれていて、服用すれば命が奪われます。しかし、この通販業者を摘発しようとしても海外のサイトであるために国内法で裁くことが困難で、また偽通販業者は、売りさばいては逃げるを繰り返し、一向に後を絶たないのです。
現在ではさらにエスカレートし、病院などの医療機関にまで薬の紛い物が流通しているといいます。医療機関が経費削減のためにメーカーとの直接取引を止めてブローカーを介在したことが原因です。そして偽薬の被害は世界中に広がり、年間何十万人の命が犠牲になっています。

もうひとつは、車、飛行機、そして武器にまで及ぶ紛い物部品の流通が、大事故を招くという事実です。
2000年のコンコルド離陸直後の炎上爆破事故は、その後の長い調査の結果、滑走路に落ちていたある部品によってコンコルドのタイヤが破損し、その断片が燃料タンクを損傷した結果の大惨事であることが判明しました。コンコルドのタイヤを破損させた部品は、他の航空機から落下したエンジン部分の部品でした。その部品は未認可の紛い物で、落下原因は取り付け不良、整備不良でした。
また乗用車の事例ですが、アメリカなどでは所有者が自ら自動車整備を行います。しかしネット通販で購入したディスカウントの紛い物ブレーキパッドを取り付けた為に、ブレーキが効かずに事故を引き起こしていました。
そして武器、アメリカ国防省の予算が削減された為、メンテナンス時の部品調達において、メーカーとの直取引を行わずブローカーを介在した為、紛い物が流れ込み、いまや武器の信頼性が損なわれる事態となりました。

何もかもが同じ轍を踏んでいる、としか言えません。
ネット通販やブローカーから格安商品を手に入れる、手に入れたいという欲望、需要が失せない限り、模倣品、紛い物が根絶されることはないでしょう。そしてますます人命は軽視され、危険にさらされ続けます。

日本でこれから始まる薬の販売自由化、ネット販売解禁は、通販ビジネスの野放図な拡大でしかありません。先日の楽天優勝セールで発覚した楽天市場の複数の商店が起こした偽りの優勝セール、偽りのディスカウントは、すでに楽天市場事態が、楽天の自浄監視が及ばない程に巨大化肥大化していることを物語っていました。
薬の自由化において、国はネット監視を強化するといいますが、海外の先行事例が物語る様に、それはたわごとにしか聞こえません。間違いなくカナダで起こった事件が、明日日本で起こる、と断言せざる得ません。

私たちは、決して人命を軽視するビジネスに手を染めてはいけない。
偽りのビジネスに手を染めてはいけない。
警報を鳴らします。

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