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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2012年5月17日木曜日

日本製造メーカーへの提言『不振打開の鍵、あります。』


『東芝、テレビの国内生産から撤退』
今日の国内経済トップニュースとして報道されました。

日立も国内生産から撤退、ソニーとパナソニックは業務提携し背水の陣で巻き返しを図る、ともありました。
そしてニュース番組のコメンテーターは一様に
『日本の技術は世界一』と唱え、海外移転しコストダウンに努めて、いずれ巻き返しを図るだろう、と解説していました。

テレビは2003年以降、薄型大型化に拍車がかかり、メーカーはより画面が大きく高精度な美しい映像が見られる高額テレビを次々に大量生産しました。
しかし、作れば売れると踏んだメーカーのもくろみは見事に外れ、商品はだぶついて価格は下落、また世界市場でも韓国メーカーに水をあけられ巨大赤字を生む事態となりました。

90年代初頭の、日米自動車摩擦時の米国自動車メーカーの状況に似通っていると思います。
当時の米国自動車メーカーは、車体も排気量もどでかいだけの、そして故障しやすい高額な車を、作れば売れるとして大量生産し、また小型で燃費が良く故障の少ない安い日本車の台頭には政治圧力で潰そうとした。しかし、日本の自動車メーカーは、アメリカ国内での生産にシフトし、そして、良くて安い商品『日本メーカーの車』は、アメリカ国民に支持されて、自動車摩擦を乗り越えたのです。

日本の家電メーカーは、今、アメリカの自動車産業が陥った轍を踏んでいるのだと思うのです。そして、現在の海外生産のシフトは、コスト削減以外のなにものでもなく、その先に希望が見えません。コストダウンを図るために、生産拠点を海外に移す事のデメリットは、
ライフラインが脆弱な国では、災害時に復旧がままならない。(昨年のタイ大規模水害がまさにそうでした)
そして、どこまで移転するのか。技術移転の問題、そして人の育成問題です。
移転規模が小さければ、レスポンスやコミュニケーションの問題が操業後の足かせとなるでしょうし、従業員の忠誠心も鈍ります。
移転規模が大きければ、それはもはや日本製でなく、その国の製品となって、あらゆる利益も渡すことになります。

80~90年代に掛けて、何故に日本製品が世界を席巻できたのか?
それは、『純日本製』であったからだと思います。
『日本製』自体がブランドだった。小型で性能が良く、そして壊れにくく価格が安い。
戦後の焼け野原から立ち上がった日本の物作りは、創意工夫と粘り強さ、そして『共に豊かになろう』という国民の一体感に支えられて成長し、やがて世界が認知する『安心なるは日本製』となったのです。
そして『トヨタ』や『ソニー』が世界を席巻した。でも、それは『日本製』という安心の御旗があったればこそだと思います。

日本の製造メーカーが今やらなければならないことは、
『日本の物作り精神』の原点に立ち戻ること、『魂』を取り戻すことです。
『空洞化』は、心が失われれる象徴です。
心に空いた穴は、『情熱』『希望』『幸福』で満たさなければなりません。
『まず同胞を、日本人を幸せにする!』
これそれが日本の製造メーカーが不振から立ち上がるための唯一の『鍵』そして『行動目標』だと思います。

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