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差別の天秤

「愛を読む人」という約10年前公開の映画の、他の方が書いた映画評を読みました。 そこには私が考え及ばなかった、ハンナが隠し通した秘密についての考察が書かれいました。ハンナは文盲でした。そして、その事実を生涯隠し通しました。それは何故かです。 映画か原作小説の序章で、ハンナの...

2015年11月22日日曜日

電話に辱められた思い出です。

昨日のことです。甥っ子のマンションの部屋で一時留守番することになり、妻と二人で鍵を預かり部屋にいました。
「マンション入り口から部屋番号をタッチするとインターフォンが鳴るので、鍵ボタンを押してね。そうすれば共用ドアが開くから」と聞いていました。
甥っ子を待っていると、インターフォンが鳴りモニターを見ると別の人が写っていました。鍵ボタンを押してもマンション内に入ろうとはせず、モニターに向かって呼び掛けてもまったく気付いてくれません。慌てて「はーぃ」と声を掛けながら部屋の玄関を開いたら、誰もいません。あっそうかと、エレベータに駆け乗って一階に下りて自らマンション入り口のドアを内側から開けて(自動ドアです。内側からなら開きます)応対し、事なきは得ました。
なんやろ、壊れているンかなと妻とブツブツ話していたら、またインターフォンが鳴りました。今度は甥っ子でした。鍵ボタンを押しながら、おーい!おーい!と声を掛けてもまったく無反応です。その時、ぴーんと閃きまして、携帯電話を取り出して甥っ子の番号を押しました。モニターの向こうでも甥っ子が携帯電話を取り出して番号を押しているのが見えました。まるで真昼の決闘です。どちらが先に掛けるのか・・・、携帯ガンマンの決闘です。そして間一髪私の方が先に電話を発信しました。勝った!と小さくうめきました。
電話が繋がり、甥っ子に「全然ドア開かないよ」と話しかけると、「おっちゃん、インターフォン鳴ったら、先に受話器取ってくれないと、話も通じないし、ドアも開かないよ」と諭されてしまいました。
モニターの横に、大きな受話器が掛かっているのがはじめて見えました。
そして、またインターフォンが鳴りまして、受話器を取って話しかけたら甥っ子と会話ができて、鍵ボタンを押したら共用ドアが開きました。妻と顔を見合わせて苦笑いしてしまいました。

そういえば大昔にも、似たような経験をしました。でもシチュエーションは全く違いましたがね・・・
それは今から25年以上も昔の事、会社が入る高層ビルディングの最上階にあった大会議室で全体会議が開かれた時の事だったと思います。
数百名の社員が着座して役員の話を聞き入っていました。その最中です。部屋の最後尾、ドア近くの内線電話が鳴りました。丁度間近に座っていましたので私が電話を取りました。その電話は私の直属の上司(課長)を呼び出すものでした。上司は私の席の数席前でした。私は受話器のコードが突っ張って電話本体が台から落ちない様に両手をおもいきり後ろに伸ばしながら上司に近づき、電話が掛かっている事を伝えました。でも、上司は怪訝な顔をしながら、電話を渡してと言います。それは無理やろ、と思いながら電話本体に振り向くと、なんとその電話はコードレス電話でありました。両手を思いっきり後ろに伸ばした状態の体が、まるで張り詰めたゴムが切れた時の様に、上司の方向につんのめってしまいました。
当時ようやくコードレス電話なるものが出始めました。そして大会議室にそのコードレス電話が設置されていたのです。私はそれをまったく知りませんでした。
その光景を一部始終見ていた回りの社員達が皆、下を向いて笑いをかみ殺しているのが見えました。

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