スポーツをするのにもまた観戦するのにも、とても良い季節がやって来ました。
私はもっぱら観戦です。長らく学生野球の追っ掛けです。
頼まれもしないのに、一試合丸丸写真に撮って、その写真をもとにスコア(写真による試合経過)を起こします。そしてブログで公開する。
私は自分が感動した体験を、咀嚼して一つの物語に仕立て上げ、それを多くの人に読んでもらう、見てもらうことに喜びがあるのだと思います。
私の写真を撮る腕前は、決して上手ではありません。これまで何度も失敗してきました。
思い出す一番古い大失敗は、20歳半ばの出来事です。夏に地元の友だち四人で出雲に海水浴に出かけました。当時はフィルムカメラです。車で出発する直前に36枚撮りフィルムをカメラに装填しました。
夜中に出発し、播但道から中国道に入り、落合インターから一般道に入って、湯原、蒜山、そして大山を巡りながら、朝方米子に到着です。それから松江市内と出雲大社をプチ観光してから出雲近郊の海水浴場に到着しました。砂浜にテントを張って、海水浴、バーベキュー、そして話の尽きない夜を過ごし・・・そして朝を迎えます。
帰り支度を整えて、最後の記念撮影をとカメラを構えシャッターを押しました。でも、フィルムの巻き戻しが始まりません。36枚を超えてもまだ写真が撮れるのです。
「超ラッキー!」と思って、それからも何枚もシャッターを切りました。気付くと目盛りは40枚を超えました。さすがにド阿呆な私でも気付きました。カメラの裏を開きますと、フィルムの先頭が巻き棒に掛かっておらず、空回りしていたのです。写真は一枚も撮れていませんでした。旅の道すがらに皆でポーズを取った記念の写真はすべて幻となりました。
これほどの大失敗は、後にも先にも1回だけですが(1回で十分です!)、撮影時のミスは今も続きます。
よくある失敗の一つは、ホワイトバランスの設定ミスです。
デジタルカメラには、様々な光源の下でも白を白く写す機能(ホワイトバランス)があります。でも光源の設定を間違うと悲惨な写真になってしまいます。前回に室内で写真を撮影し、後日に太陽光の下で野球の試合を撮影したことがありました。ホワイトバランスを白色蛍光灯のままにしていたために、野球の写真はすべて青みがかった暗い写真となりました。
もう一つは、絞り値の設定ミスです。
絞り値(F値)は小さくすると、シャッターの絞りが開きレンズを通過する光量が多くなって画像が明るく見えます。と同時に被写界深度が浅くなってピントが合って見える範囲が狭くなります。
反対に、絞り値を大きくすると、シャッターの絞りが狭くなって光量が少なくなり画像は暗く見え、同時に被写界深度は深くなりピントが合って見える範囲が広くなります。
野球の試合を一日中撮影していると、夕方近くになると太陽光は弱くなり絞り値を小さくして撮影することが多くなります。そして、試合の後で集合写真を撮るような場合、絞り値をそのままにしてズームを広角にして撮影してしまい、集合写真がピンぼけ写真となることが何度かありました。
失敗は、常に気持ちに余裕が無い時にしでかします。たとえば試合開始ぎりぎりに到着して慌てて撮影をした時や、また撮影する時間が限られていてバタバタと撮影をした時にしでかします。
その他には、知人と会話しながら写真を撮ろうなどと器用ぶった時などです。そう言う時は、試合の流れを頭に刻むことも出来ず、途中で諦めて撮影を断念します。
悪いことばかり書いてしまいました。最後に、上手く撮影できた時の事を書いて締めたいと思います。
試合写真を撮影する時は、できれば試合前の守備練習までには球場に入ります。試合が二試合目ならば一試合目に球場入りし(スタンドに陣取って)、余裕を持ってカメラを構える場所を吟味し、そしてカメラの撮影機能をしっかり確認して、当日の撮影状況にあった撮影設定を行います。
そして試合が始まる直前には、出場選手の背番号と打順と守備位置を確認します。
試合が始まれば、まず投手の投球フォームを撮影します。そして打者にカメラを向けて、シャッターを切るタイミングを計り、撮影を開始します。
ここからは野球の知識と観戦経験をフル活用します。
投手が投げて打者が打つ。打てば、野手の動きを見て打球の方向にカメラを振ります。
無死走者無しの内野ゴロなら打球の捕球場面を撮影してから、一塁ベースにカメラを向けて打者走者のアウトセーフ場面を撮影します。
外野に飛んだ打球は、野手陣の動きで打球の方向を確認し、カメラで追います。外野手が打球を押さえたところを撮影し、それから先頭の走者に向けてカメラを振ります。走者無しで長打なら二塁ベースに向けてカメラを向け、走者がいたら本塁にカメラを向けるという具合です。そしてクロスプレーや得点場面を撮影します。
試合中は、常にストライク、ボール、アウトカウントを確認し、そして走者が出たら、走者と守備側の守備体系を確認します。ですから一時だって目を離すことが出来ません。
私の一番の自慢は、集中力と持続力かもしれません。見たいものを全て見る、カメラで撮影できるものは全て撮影し、脳裏に刻められるものは全て刻む。太陽の位置、風の向き、雲の流れ、グラウンドの白線と土と芝の変化、そして選手や応援の表情の変化等々等々。光、色、音、音楽、香り、匂い、皮膚感触等々等々、試合終了が告げられるまでカメラに脳裏に刻み続けるのです。
そして、得難い感動という贈り物を頂いて球場を後にします。
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