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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2012年11月13日火曜日

ドラマ『PRICELESS〜あるわけねぇだろ、んなもん!〜』はパワハラ社会を変える!?


第四クールのテレビドラマで欠かさず観ているのが
『純と愛』、そして『PRICELESS〜あるわけねぇだろ、んなもん!〜』です。
二つをあらためて眺めてみると、うん、どちらもとても脳天気な人物が主人公のポジティブ思考なコメディ?です。世の中がどんどんと真っ暗闇になる中で、主人公の突き抜けた明るさはとても魅了です。

『PRICELESS〜あるわけねぇだろ、んなもん!〜』
パワーハラスメントによって社会から切り捨てられた人々が、それでも社会を怨まずに、自分の能力を信じて、また互いに支え合って、社会で生きる本当の喜びを見つけていく。
ファンタジー色がとても強いけれど、主人公には本当の喜びを掴んで欲しいし、また社会にそれを示して欲しいとも思います。
このドラマではさまざまなパワーハラスメントが描かれますが、私も実体験した強烈な記憶があります。それは・・・

30歳になったばかりの頃の話です。
顧客である会社に、システム部を統括される役員がおられました。その方はとても狡猾な人柄で、公私のやっかい事を一色単にして押しつけてきます。そして業者がその押しつけに応えられなければ、一同を呼びつけて罵詈雑言を浴びせるのです。また、期の挨拶に伺う際にも、何かしらの手土産がなけければ、同じく砲火を浴びることになりました。
あれはたしか年末の挨拶に伺った際の出来事です。部長、課長の供となってお客様を訪問し、持参したカレンダーと手帳を渡して回りました。応接室に通され、着座し役員の到着を待っていますと、暫くして現れました。一通りの挨拶を済ませて、お土産を渡したところ、何か不満を持たれたらしく急激に機嫌が悪くなりました。そして高圧的に、まるで坊を慰む様に罵詈雑言を浴びせてきました。そして部長に土下座をしろ!とわめき散らし、あげくには下げた頭を靴の先で蹴る仕草までしたのです。部長の顔は真っ赤でした。課長の顔は蒼白でした。私と言えばたぶん呆けた顔になっていたと思います。
苦行の後、帰社せず三人で飲みに行きました。会社の重責を担うことになれば、このような理不尽な苦行に耐えなければいけないのか、なんてしみじみ思ったものでした。
もう一つは20歳半ばの話です。
ようやく担当のお客様が出来ました。でも、その会社の室長は、なかなかの暴言家であったのです。技術も未熟、社会人としてのスキルも未熟では、いくら暴言を吐かれてもどうする事もできず、ただただ生真面目に通うしか能がありませんでした。
ある時、ある仕事の約束を室長に反古にされ、面談の席で怒りに涙がこぼれました。会社の先輩から、『そんな時は机を蹴って帰ってきたらいい』とアドバイスを受けていましたが、まさか机を蹴って帰ってくることも出来ず、その場で悔し涙をこぼすしか出来なかったのです。しかし、そんな硬直した関係もある一言が切っ掛けで、風向きが変わったのです。それは私の勘違いから出た一言でした。
ある冬の日、風邪を引こうが生真面目に通いました。一つの仕事が一段落し、挨拶をして帰ろうとすると室長に呼び止められ、
『前田、大丈夫か?』と声を掛けられました。
その言葉がとても嬉しく、
『ハイ!べっちょないです。風邪大丈夫です。』と答えました。すると
『お前のことちゃあう。システムの事きいとんのや!』と一喝されました。しかしその時の室長の顔は笑っていました。そしてシステム室の部員の方から、
『前田くん、おおぼけやなぁ』
『風邪早う治して、元気なってまたきて』と見送って頂きました。
その会社はその後、長く担当させて頂く事になり、忘年会などにも呼んで頂きました。私の父が亡くなった時、弔電を下さいました。私にとってとても大切なお客様になったのです。

以上が、強烈な記憶として残っているパワーハラスメントの出来事です。ただこう言った出来事は、ある意味日常茶飯事であるとも言えます。受ける側として、傷つく事もあれば、寛容になることもある、そして日々が過ぎるのです。ですが決して忘れることがないことを、与えた側は覚えておかなければなりません。
最後に、父の戦友の話をしたいと思います。
私が子供の頃、よく戦友が父を訪ねてきました。父は酒を一滴も飲まない人でありましたが、その戦友は酒に弱く、そして一時もすると酩酊状態になって、毎度失禁します。母はいつもそれを大変迷惑がっていました。
その戦友は父と同じく平民の出です。そして海軍では同じく兵曹長で、しかし父と違う点は、やたらと部下に暴力を振るっていたことでした。父から聞かされたこの話に、その方の酒の振る舞いを見て、私は大いに恐ろしさを覚えたものです。そんな部下のひとりがある日、飛び級で上官になったのです。その日から立場が逆転しました。軍隊です、そして恨みもあります。その方は命の危険もあったのではと思います。

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