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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2012年10月23日火曜日

10月26日(金)にWindows8が発売されます


数日前から、ゴールデンタイムのテレビCMに《Windows8》が登場しましたね。
10月26日(金)に発売されるパーソナルコンピュータのOS(基本ソフト)である《Microsoft Windows》の8回目のメジャーリリースの告知です。
でもなんかぱっとしない、というか《iPhone》のCMのぱくりにしか見えないところが悲しいです。

《Windows8》は、デスクトップやノート型パソコンのOSであると同時に、タブレット型を強く意識したOSです。つまり現在のスマートフォンやタブレットなどマルチデバイスのOSを席巻する《Apple iOS》や《Google Android》の牙城に挑むOSです。

デスクトップやノート型パソコンというのは、まさに机上の作業をパーソナルコンピュータの中に実現したものです。それは《学習環境》や《作業環境》、つまり《知の創造環境》です。
《Microsoft Windows》がこれまでに果たしてきた成果ですが、その一つが、デスクトップ上で行う作業環境を統一した事です。ディスプレー上のメニュー配置や機能配置、キーボードやマウスの操作を統一したのです。これによって例えば一つの《文書作成ソフト》が使えれば、はじめて使うことになる《はがき宛名作成ソフト》や《絵かきソフト》もマニュアルと格闘することなく、何となく使い始める事ができます。
そして成果の二つ目は、作業ソフトがとても安価になった事です。
約30年前に登場したワードプロセッサー専用機は数十万円しました。それが今では高度な文書作成機能・文書作成支援機能を持つ《Justsystem一太郎》が一万円で手に入ります。
スタジオ設備や専用機器が必要だった音楽編集や動画編集は、その簡易機能版のソフトを、Microsoftから無料でダウンロードすることができます。高度なソフトでも数万円で手に入れることができます。私たちは、特定の作業機能をプログラムしたソフトを手に入れてパソコン上で実行することによって、すぐに《新しい知の創造》を始める事ができる様になったのです。
そして成果の三つ目は、インターネットと繋がることによって、あらゆる情報やマルチメディア作品をパソコンの画面を通じて視聴することが可能となり、そしてまた自ら作品をインターネットを通じて世界の人々に発信する事も可能となった事です。これはまさに飛躍的な出来事です。

《知の創造》を支援するパソコンの進歩と同じくして、《どこにいても繋がる》に特化してそれを実現した携帯電話も進歩しました。音声とテキストメールで《人と繋がる》を実現した携帯電話は、インターネットと繋がって、現在では最も多くの人々が利用する、インターネットの利用そしてマルチメディア作品視聴のビックツールとなりました。現在のスマートフォン、そしてタブレットです。
スマートフォンやタブレットはマルチメディア作品の視聴ツールであると同時に、日常生活を支援するあらゆるジャンルの《機能アプリ》をインターネットからダウンロードして利用する事が可能です。《機能アプリ》は、パソコンの知の創造を手助けしてくれる《作業支援ソフト》とは異なり、それぞれが一つの公式に則った計算ソフトです。《目的》に合った《機能アプリ》を実行し、《条件》を代入して《答え》をはじき出します。
私たちはそれを《スマートアプリ》と呼びます。
そして最近では、さまざまな家電や情報機器に指示を伝達するコミュニケーターへと広がりを見せてもいます。パナソニックが提唱する《スマート家電》もその一形態です。
近い将来、例えば旅行スケジュールをスマートフォンにセットして完全自走のスマートカーに伝達すれば、人は車に乗り込むだけで事細かな用事から解放されて、ただ旅行を楽しむことができる、その様になるかもしれません。
(でも私は、《スマート》というキーワードが、裏を返せば私たちから、『思案する』や『調べる』という楽しさをどんどんと奪う悪キーワードに思えてなりませんが。。。)

スマートフォンやタブレット端末等が実現したユーザインターフェースはとても感覚的に優れたもので、タッチパネルへの直接の指タッチや本体に装着されたカメラで指先のジェスチャーを読み取って、その指示を理解して滑らかに画面を動かします。それはまるで映像に直接手を触れている様な錯覚を覚えるほどです。
『検索する』や『指示をする』において、とても使いやすいインターフェースです。

数ヶ月前の日経パソコンに、Windows8搭載予定パソコンのデモ幾の記事がありました。
それはノート型パソコンですが、液晶パネルがフタの両面に配置されています。
フタを閉じればタブレット、フタを開けば従来のノート型パソコンとしてキーボード操作が行えます。ユニークだと思ったのは、フタを開いた状態で内側の液晶パネルを見ながら操作をすると、その結果がリアルタイムに外側のパネルに表示されます。少人数のプレゼンテーションの時など、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)やテレビモニタを用意することなく、ノート型パソコン一台で事足りるなぁなんて思いました。

ステーブ・ジョブスが存命でまだ血気盛んな頃、ビル・ゲイツとこんな論争がありました。
タブレット型パソコンのタッチパネルの操作にタッチペンを使用するか否か。
ゲイツ率いるマイクロソフトは、当時の技術ですぐに実現できるタッチペン方式を採用します。ゲイツの思想は、パソコンの基本ソフト《Windows》に今ある技術を貪欲に取り込んで、そして基本ソフト上で動作する《作業支援ソフト》や《機能アプリ》をサードパーティーにどんどんと自由に作らせることによって、パソコンにおけるWindwos支配を盤石にする事です。
ですがジョブスは強固にタッチペン方式を拒否します。美しくないからです。そのジョブスの感性が、感覚的に優れた美しいユーザインターフェースを生み出す礎となりました。
ジョブスの思想は、美しさと使いやすさを極める事です。とことん無駄をそぎ落として、余計なものは排除する、極めて独善的で排他的です。ですがその機能美に一度魅了されれば以後、ジョブスのApple製品の虜となります。
そしてこんな偉大な二人の思想家がいたからこそ、パーソナルコンピュータは進歩し進化し、またApple製品は世界を一変しました。

10月26日(金)に発売される《Windows8》には、これまでの様なワクワクした期待感はありません。
ですが、さまざまな《作業支援ソフト》や《機能アプリ》が動作する《基本ソフト》として、

《作業支援ソフト》や《機能アプリ》がサクサクと軽快に動くこと

データの保全機能の充実

そして、コンピュータウィルスやインターネットに潜む悪意からパソコンを守る防御

の進化を期待をします。

私はこれからも、広いデスクトップで《作業支援ソフト》を使いながら、『思案』し『調べる』楽しみを続けていきたいと思います。

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