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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2016年5月22日日曜日

ルール改定が、野球をつまらなくしてはならないですね

今年からNPBでもコリジョンルールを採用する事になりましたね。本塁でのクロスプレーの際に起こりうる捕手と走者の衝突事故を防ぐための衝突防止ルールです。でも昨年からこのコリジョンルールを採用したMLBでは本塁上でのクロスプレーの面白さが失われていました。イチローがその名を全米に轟かせたレーザービームによる捕殺や、忍者のような生還などアメージングなプレーは影を潜めてしまいました。
日本でも開幕早々、コリジョンルールの不可解な適用によって完璧な捕殺プレーによるアウトが覆されて、試合の勝敗に影響する事態を引き起こしました。それは、5月11日(水)の阪神巨人戦三回表巨人の攻撃で、二死二塁からヒットで本塁に突入した小林を、中堅の大和から完璧な返球を受けた捕手原口がコリジョンルールに則って走者の走路を空けながら余裕で刺殺したプレーが、巨人側からの抗議によってビデオ判定に持ち込まれ、そして走塁妨害として認められてセーフとなった一件です。

こんな不可解な判定が認められてしまうコリジョンルール以上に、さらに野球をつまらなくするであろうルール改定の合意がMLBで成されたというニュースを見ました。
守備側が敬遠の意思を示せば、四球ボール球を投げずとも敬遠が認められるというルールです。敬遠というのは、強打者との対戦を避けるという手段であるとともに、試合の終盤に駆け引きとして使われる手段でもあります。駆け引きには、時に思わぬプレーが起こります。投手が暴投したり、捕手が後逸したり、はたまた打者が敬遠ボールに飛びついて強打したり、怒りで空振りしてみたり・・・。敬遠は、たかが四球のプレーですが、その中で球史に残るプレーも生まれてきたのです。そんな思わぬプレーが観られるかも知れない機会が失われてしまう事は決してあってはならないと思います。

MLBは試合が決するまで何回でも何時間でも戦うという崇高なルールを守り続けているのですが、そのためか遅延に繋がる行為は一切排除する方向にルール改定が行われてきました。今回の認定敬遠もその一環だと想像しますが、勝負の駆け引きやきわどいプレーまで排除されてしまうとすれば、それは改悪でしかありません。

そしてもう一つのルール改定が、ストライクゾーンの見直しです。ストライクゾーンの下限を膝頭下部から膝頭上部に変更するというものです。ようはストライクゾーンが狭くなるということです。MLBは来年以降、ますますパワーヒッター天国となり、速球だけで勝負する正統なパワーピッチャーはますます受難の日々を迎えます。
フェアプレーを引き出すためには本来、打者にも投手にも公平なルールでなければをいけないと思います。NPBは闇雲にMLBに追随して野球をつまらなくするのでは無く、野球の面白さの真髄をいつまでも追い求め、そして日本の野球の素晴らしさを発信し、世界の野球ファンおも唸らせて欲しいと思います。

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