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差別の天秤

「愛を読む人」という約10年前公開の映画の、他の方が書いた映画評を読みました。 そこには私が考え及ばなかった、ハンナが隠し通した秘密についての考察が書かれいました。ハンナは文盲でした。そして、その事実を生涯隠し通しました。それは何故かです。 映画か原作小説の序章で、ハンナの...

2015年1月25日日曜日

憤り、憤慨、苛立ち・・・そして苦み

憤り、憤慨、苛立ち・・・そして苦み
イスラム国と名乗るテロ集団が、起こした日本人拉致、ネットに公開された人質身代金要求、そして殺害映像と新たな人質交換要求・・・

息子が、友だちに誘われてネットに拡散された殺害映像を見たと話します。
今事件が発生して、事件の経過を注視していましたが、一番心が乱れました。

イスラム国は、彼らではないすべての人々に、計り知れない恐怖を植え付けようとしている!日本人に計り知れない恐怖を植え付けようとしている!そして、それは成された・・・

彼らではない私たち、共生や親和を尊ぶ人々、生活を豊かにする技術を生み出す人々、
そんな私たちが生み出したSNSが、彼らの武器となり、
そして私たち自身が、彼らにいいように使われて、
SNSで恐怖を拡散している。決して見てはいけないおぞましさを拡散している。
私たちは、何気に、そして簡単に、その恐怖、そのおぞましさにアクセスし
彼らの術中にはまってしまったのです。

私自身、朝おぞましいニュースをテレビで知ってから、ネットニュースにもアクセスしました。見たくはない、けれども万が一見るかもしれない。そんな誘惑に駆られた節もあるのです。ですが、理性で深みに入らず制止はしました。

でも息子は、そして友だちは、見てしまった。
おぞましさに、もしかしたら魅了されたかもしれない、
そして、おぞましさを招いた者に、計り知れない恐怖で支配されたかもしれない
そういう事態に直面した事に、心が乱れたのです。

そして、もう一つ
私自身、人の命の重さを天秤にかけていたことに気付きます。
最初の身代金事件が発生してから、テレビや新聞によって、二人の人質が事件に巻き込まれるまでの経緯が克明に伝えられました。
一人は、民間軍事会社を興すために
一人は、ジャーナリストして人道問題に光をあてるために、そして人質救出のために
レッドゾーンに向かったと報道されました。
二人には、どうかして生きて帰って欲しいと願います。(願いました・・・)
しかし、その思いには差があります。感情が思いの差を生むのです。
そういった自分の中の恐ろしい感情が、白日の下に晒されたような気持ちになって苦いです。

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