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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2014年9月11日木曜日

デジタルモンスター

まだ家の子どもが幼かった頃、デジタルモンスターというアニメがありました。
人間の子ども達が、デジタルワールドという異世界を旅をして、その世界に住むモンスターと交流したり、魔王と対決します。
そして最終回では、デジタルワールドの魔王が、人間世界に侵攻し壮絶な最終決戦が繰り広げられる・・・たしかそのようなストーリーであったと思います。
でも大人目線で、ありえないファンタジーと冷めた目で見ていたようにも思います。

最近の、非情に冷酷でおぞましい犯罪が何故に頻繁に起こるのか、を想像する中で、このデジタルモンスターを思い浮かべました。
しかし、デジタルモンスターは固有の生物なのではなく、ある人間の成れの果てということです。

高度に発達したITは、人間をデジタルワールドに誘いました。その世界を訪れる人間は、アバター(容姿も性質も名前さえ異なる別の自分)となって、デジタルワールドの無秩序で魅惑的な雰囲気を味わいます。しかし、人間世界でしっかりとした自己が形成されぬままにこの世界を訪れた者は、この世界の雰囲気にすっかりと魅了され、いつしか麻薬に溺れる様に、この世界から離れられなくなってしまう。虜になってしまいます。

そして、デジタルワールドの虜になった人間はどうなるのか?
想像は難くないです。麻薬に冒された人間同様、心も体も傷みます。人間が本来持たなければならない愛や慈しみの心を失い、憎悪と我欲に心を支配されます。
それはおぞましいデジタルモンスターです。
人間の皮を被ったモンスター、ITに歪められた人間の成れの果てです。

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