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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2010年9月27日月曜日

『秋の総体地区予選』 私を野球に連れてって

野球といえば『夏』、夏の全国高等学校野球大会、プロ野球も、アマチュア野球も、炎天下での激戦、また夕涼みの楽しみとしてのナイター観戦、私は『夏』を最初に連想します。

ですが『秋』こそ、野球の本当の面白さに触れられる季節かも知れない、最近そう、感じ始めています。
日本プロ野球はクライマックスシリーズが導入されてから、『消化試合』という余りにもファンを舐めた試合が減り、リーグ優勝、クライマックスシリーズを経て日本シリーズと、歓喜の波が次々と押し寄せてきます。
また、高校野球は、春の全国選抜高等学校野球大会の地区予選が始まり、夏を制したチームを含め全ての球児が、優しく爽やかな秋空の下で、夏の苦しい練習に耐えた成果を携えて、戦いを繰り広げています。

2年前まで観戦の中心であった小学生少年野球においては、昨年末から新たになったチームの約一年の活動の総決算。
各部員は、例えば5年生は6年生に学年が上がり、初めて組織活動の様々なリーダーとしての責務が与えられ、野球を単にプレーするだけではなく、その責務の重みを感じながら野球活動を経験します。
彼らにとっての秋の大会は、実りの刈り入れです。当然のこと、選手も、応援する我々も、ひとつでも多く勝利する事を願っています。しかし、彼らにとって小学生少年野球の最後を飾る秋の大会の経験も含めて、これからの彼らの糧、力となることを観戦を通じて、私は学びました。

そして今、観戦の中心である中学生の野球です。
中学の部活としての野球は、チーム事情によって若干異なる部分はあると思いますが、初夏の中体連軟式野球大会に敗れた時点で、新チームに移行、2年生が中心となっての活動が始まります。
私のようなアマチュア野球経験すら殆どない者が、と笑われてしまう事をあえて書きますと、
小学生少年野球(子供会の野球)との大きな違いは、
部員個々の育成よりもチームという組織で戦う事、戦術に比重が移っているという事です。
監督・部長は、部の顧問であり、責任者であり、グラウンドを一歩出れば中学校の先生です。
でもグラウンドでは、チームを率いる監督・コーチとして、チーム事情を踏まえた戦術を指導し、日々の練習、練習試合を通じて選手に叩き込み、公式戦に臨みます。目指すのは深紅の優勝旗のみです。
厳しい練習では怪我もあります、親として非情とも取れる采配もあります。そんな時、一歩も二歩も下がって、チームを広く見渡せば、監督の苦悩も見え、また部員それぞれについて、与えられるチャンスに結果が出せるよう準備をする者、チャンスに応える者・応えられない者、という部員側の喜びや苦しみも見えてきます。

また、野球というスポーツは、グラウンドに散る9名だけで行えるものではなく、例えば部員数27名であれば、27名それぞれに大切な役割・仕事が与えられます。
走塁コーチ、彼らの指示には、走者を活かし、次の塁を奪い、得点を上げる重要な責務があります。
スコアー記録係や、盗塁に関する時間の計測係が収集した情報は、ゲームの大局的な戦略、極小的な戦術に影響を与えます。
プルペンは、投手を気持ちよくマウンドに送る責務があり、控え選手は、常にグラウンドに立てるよう、ゲームに集中しなければならない。
そして応援、これはグラウンドに立つ9名を含めた全員が、共に戦っているかの指標になります。
『投手を孤立させるな!』、『エラーやチャンスを潰した選手を奮い立たせろ!』、『ピンチに受け身になるな!』、それぞれの立場に身を置けば、理解できるはずです。声援をくれる、信じてくれる、共に戦ってくれる、僚友・戦友がいる心強さを・・・。
ピンチを皆で切り抜け、次に巡るチャンスを皆でものにして、『勝つ』、そこに野球の、野球でしか味わえない醍醐味があるように思うのです。

少年野球の指導者でもある友人が、中学野球を評して、初年度は、守り強いチームが勝ち残り、次年度最終年度は、夏の激しい練習、冬の地道なトレーニングを経へ実力をつけたチームが勝ち進む。イチローの言葉を引用するならば、勝利のための、得点をするための、オプションを少なくとも二つ三つは最低限備えたチームへと進化することが、来年に向けた課題と思います。

10月1日(金)、総体への出場権をかけた高砂市地区予選が始まります。鹿島中野球部部員達は、この3ヶ月、怪我もし、泥んこにもなって、監督の指導に必死について来て、10月1日を迎えます。
現在、怪我で出場できない部員がいます。これまでのところゲームへの出場機会がない部員もいます。
でも27名で、ここまでやって来た事にそれぞれが自信を持ち、チームメートを信頼し、与えられたポジションで精一杯に戦って欲しいと願います。思いっきり楽しんで欲しいと願います。
一度しかない試合、一戦一戦を心に刻んで欲しいと願います。

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