播磨の国ブログ検索

映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2013年12月4日水曜日

ダン・ブラウン新作「インフェルノ」、読みました。

発売当日の11月28日、仕事帰りに買いました。翌日は休みで、一気読みを試みましたが、上巻を読み終えたところで時間切れ、完読したのは12月2日でした。

帯に、「2015年映画化!ラングドンシリーズ最新作!」と書かれています。前作「ロスト・シンボル」はどうしたのかなぁ?とググりますと、前作の映画化は難航し、新作が先に第3弾として映画化されることが決定した様子です。
難航の勝手な想像ですが・・・
ニコラス・ケイジ主演「ナショナル・トレジャー」という映画シリーズがありますが、この映画、ワシントンを舞台にフリーメーソンの謎と宝物を探るアドベンチャーなのです。ロスト・シンボルを読んだ時、当然ながらミステリーの勘所はまったく違うものでしたが、正直、この映画のストーリーが思いっきり被ってしまいました。また、ヨーロッパを舞台にした前作ほど旅情を誘うこともなく、読み終えてもあまり感慨を持つ事がなかったのです。直感として映画化は難しいだろうなぁ、と感じていました。

そして新作、ラングドンシリーズは生き返るか?という期待と不安の読書でありましたが、それは満足感と映画化への大きな期待に変わりました。
まだお読みでない方のために、いつものあらすじは止めておきますが・・・
定番、ダン・ブラウンお決まりの、プロローグでキーとなる人物が死ぬ場面から始まります。そして最高の観光ガイド、ラングドン教授と巡るヨーロッパの旅が始まります。今度の旅では、ルネッサンス発祥の地フィレンツェ、巨万の富の集積で建造された水の都ヴェネツィア、そしてキリストとイスラムの文化、歴史が交差するイスタンブールを巡ります。そして今旅で、ダンテという人物、そしてダンテが描いた神曲、特に地獄編「インフェルノ」の物語を、サスペンスの中で辿ります。

そして今作は、歴史の神秘や陰謀なるものを解き明かすものでなく、現在、そして未来への警句、あるいは一つの野心が描かれます。帯にもありますが、「人口爆発による滅亡と崩壊。世界と人類を、救え-。」です。そしてダン・ブラウンは、私たちに否認するのでなく、直視する勇気こそが希望であることを気付かせてくれました。

そして最後にもう一つ・・・
この物語には不慮の事故による「死」はあるものの、お決まりの殺人は存在しません。ダン・ブラウンのトリックの巧さに、参ります。

0 件のコメント:

コメントを投稿