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不寛容にもほどがある!

現在の日本社会を支配する倫理観では不適切として烙印を押されてしまう、昭和ど真ん中の言動や行動で生きている中年の男性教師を主人公にして、現代にタイムスリップした主人公が、誰かが不適切だと呟けば社会全体が盲目的に不適切を糾弾する不寛容な現代の日本社会の有り様に喜劇で一石を投じる、宮藤...

2013年12月4日水曜日

ダン・ブラウン新作「インフェルノ」、読みました。

発売当日の11月28日、仕事帰りに買いました。翌日は休みで、一気読みを試みましたが、上巻を読み終えたところで時間切れ、完読したのは12月2日でした。

帯に、「2015年映画化!ラングドンシリーズ最新作!」と書かれています。前作「ロスト・シンボル」はどうしたのかなぁ?とググりますと、前作の映画化は難航し、新作が先に第3弾として映画化されることが決定した様子です。
難航の勝手な想像ですが・・・
ニコラス・ケイジ主演「ナショナル・トレジャー」という映画シリーズがありますが、この映画、ワシントンを舞台にフリーメーソンの謎と宝物を探るアドベンチャーなのです。ロスト・シンボルを読んだ時、当然ながらミステリーの勘所はまったく違うものでしたが、正直、この映画のストーリーが思いっきり被ってしまいました。また、ヨーロッパを舞台にした前作ほど旅情を誘うこともなく、読み終えてもあまり感慨を持つ事がなかったのです。直感として映画化は難しいだろうなぁ、と感じていました。

そして新作、ラングドンシリーズは生き返るか?という期待と不安の読書でありましたが、それは満足感と映画化への大きな期待に変わりました。
まだお読みでない方のために、いつものあらすじは止めておきますが・・・
定番、ダン・ブラウンお決まりの、プロローグでキーとなる人物が死ぬ場面から始まります。そして最高の観光ガイド、ラングドン教授と巡るヨーロッパの旅が始まります。今度の旅では、ルネッサンス発祥の地フィレンツェ、巨万の富の集積で建造された水の都ヴェネツィア、そしてキリストとイスラムの文化、歴史が交差するイスタンブールを巡ります。そして今旅で、ダンテという人物、そしてダンテが描いた神曲、特に地獄編「インフェルノ」の物語を、サスペンスの中で辿ります。

そして今作は、歴史の神秘や陰謀なるものを解き明かすものでなく、現在、そして未来への警句、あるいは一つの野心が描かれます。帯にもありますが、「人口爆発による滅亡と崩壊。世界と人類を、救え-。」です。そしてダン・ブラウンは、私たちに否認するのでなく、直視する勇気こそが希望であることを気付かせてくれました。

そして最後にもう一つ・・・
この物語には不慮の事故による「死」はあるものの、お決まりの殺人は存在しません。ダン・ブラウンのトリックの巧さに、参ります。

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