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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2011年4月20日水曜日

心に残った選手の『言葉』(4月10日の祝勝会での出来事)

第24回高砂市中学校春季軟式野球大会に優勝してから早十日が経ちます。


あの日、閉会式の後、高砂一旨い焼き肉店『まねきや』(※知り合いの店だから、ヨイショOKですよね、でもホンマにボリュームといい、肉の旨さといいGood!です。)で、午後2時から祝勝会を開きました。

食事が一通り済んだ後、3年生部員一人ひとりから優勝の感想を述べて貰いました。
また、監督、部長をはじめ父母や他の部員から質問し、その質問にも回答してもらいました。

私は、二人の部員の言葉が、特に印象深く残りました。

まず、孝鯛。
小学生の頃から野球を始め、体も1年の頃からずば抜けて大きかった。俊足である、という事も人伝に聞いていました。
一昨年(2009年)12月に神戸の大原中学で行われた1年生大会では、ピッチャーを務めました。投球練習を見ていて、ゆったりと大きく投げるサウスポーは、迫力十分だな、と思いましたが、プレーが掛かると途端に、フォームが小さくなりストライクが全く入らない。バッターとして、初打席初ヒットで素晴らしい結果を出しましたが、その後、何度も監督から『走れ!走れ!』と大声で指示されるも、中々スタートがきれず、やっと走ったと思ったら、悠々二塁で走塁アウト。
ウン?と思いました。
新チームになって、練習試合にでても、打席でも自信無さげがありありで、大きな体を窮屈に体を丸める様な感じで、本人は色々と試しているのでしょうが、結果が出ませんでした。
守りの方は、それ以上不安で、外野手として容易なフライもポトリと落とす、実際に昨年末まで、結果はでず、控え選手に甘んじていました。
それが、冬トレが終わった3月始めの練習試合では、長打をかっ飛ばし、また外野守備も無難に処理できる選手に変貌していました。
しかし、3週目に入り、最初の結果が良すぎたのか、大振りが目立ち、打者として中々出塁できなくなりました。
しかし、今年最初の公式大会、彼は『9』の背番号を背負い、2戦目宝殿中戦、途中守備固めのためにベンチに下がりましたが、荒井中との決勝戦もライトのポジションをしっかり最後まで務め、守りきりました。また、攻撃では、自慢の俊足をフル回転して全力で走っていました。そして、優勝を決めたとき、グラウンドに立っていました。
その孝鯛が、みんなの前で強く意志を表明しました。
『これからの試合も、一桁の背番号を付けてグラウンドに立ちます』。
一度、冬レトの練習を観に行った事がありましたが、孝鯛の二塁からホームへの走塁は、迫力満点でしかも速い。相手捕手には、恐怖を与えるだろうなと、感じた事を思い出します。

そして、大成。
3年生部員11名の中で、ただ一人小学校で野球経験が無く、でも『野球が好きだから』野球部に入ったと、(そう人伝に)聞いていました。
体も11名の中で一番小さい、しかし先の1年生大会では、ピンチヒッターで打席に立ち、粘り食らいついて、内野安打を勝ち取りました。
今大会では、彼は背番号『10』を背負い、控え選手でした。
1回戦、高砂中戦で4回表に代打で出場、粘って四球を選びました。この回、チャンスが拡がり、ホーム上でクロスプレーを演じましたが、アウト、しかしアグレッシブなスライディングでした。
この大会では、守備機会はありませんでしたが、練習試合ではライトやレフトのポジションを守り、内野手が後逸した時、しっかりカバーに入って、ピンチの拡大を防いでいます。
私は彼に尋ねました『君の役割はなんですか』と。
大成は『まじめに野球に取り組む事です』、そう回答を返してくれました。

孝鯛と大成、現鹿島中野球部部員全員に共通する『シャイな少年』です。
しかし、祝勝会の席上で、しっかりと気持ちを伝えた二人でも在りました。

彼らの様な部員がいるから、チームの中に良いライバル意識や関係が生まれ、また野球に真摯になって打ち込めるのだと、今そう思っています。


p.s.
公式大会になると、全員に背番号が与えられるわけでなく、背番号が与えられなかった部員はベンチに入る事が出来ず、私たち父母と同じく、背番号のないユニフォーム姿でスタンドの最前列、チームメイトの一番近くで、必死の応援です。肉体はスタンドに在っても、言霊となって、グラウンドに飛び出し、グラウンドに立つチームメイトとともに戦っている、と私は思っています、本心です。しかしまた、この様な考え方は、控え選手への身勝手な気持ちの押しつけではないのか、そう自問もします。

野球部員の諸君、おっちゃんは、軽薄で、すぐ熱くなってしまいます。
うるさければ『うるさいです』と言って下さい。でも笑顔で言って下さいね。
とにかく、今は、父母の仲間とともに、君たちの溌剌としたプレーを、笑顔を追い続けます。

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