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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2023年7月2日日曜日

カテリーナが届けたいウクライナのリアル

 こんにちは。

妻が朝の情報番組「あさイチ」を毎回録画して見ていますが、先週水曜日の回は「カテリーナが届けたいウクライナのリアル」という副題がついていましたので、私も録画したこの回を見ました。そして、思った事、感じた事を書き記したいと思います。

番組は、NHKで5年前からディレクターとして働いているウクライナ人女性ノヴィツカ・カテリーナさんが、戦時下のウクライナで現在も暮らす幼なじみや学生時代からの女友だちにテレビ電話を繋いでインタビューし、現在の彼女たちが置かれている状況と、日本人の視聴者からの質問に対する彼女たちの率直な意見を通じて、戦況を報道するニュース報道では知り得ない、戦時下で日常生活を送らねばならない市井の人のリアルな思いを、私たち日本人に伝えてくれる希有でとても強いメッセージが込められた内容がありました。

※次の火曜日(7/4)まではNHK+の見逃し配信でも視聴することができますし、NHKサイトでテキストを読む事も出来ます。

NHK みんなでプラス>ジェンダーをこえて考えよう>ウクライナ人ディレクターが聞く “戦争のある暮らし”

彼女たちの発する言葉は、とても心に刺さりました。

一部を抜粋掲載させていただきます。

オーリャ「まず、私たちの置かれている状況を想像してみて欲しいんです。例えば、もしアパートの隣の部屋の人が、ある日突然ドアを蹴破ってあなたの部屋にやって来て『ここはあなたの部屋じゃない、私の部屋だ。私は今日からここに住む』と言い出したら?そしてあなたの冷蔵庫の中のものを全部食べて、あなたの妻をレイプして、あなたの子どもを奪ったら?これが私たちの置かれている状況です。

あなただったらどうしますか?「どうぞどうぞ、アパートをお譲りします。なんでも使って良いですよ」っていう訳にはいかないでしょ?私たちの家、私たちの国、私たちの歴史を諦める訳にはいかないの」

アンナ「ロシアに抵抗する道を選んだのは政府じゃなくて、私たち自身だよ。ロシアは私たちが大切にしてきた文化やウクライナ人としてのアイデンティティまで否定している。こんな仕打ちは不条理過ぎる。だから私たちは戦っているんだよ」

オーリャ「多くの海外メディアは、いまだに『これはプーチンの戦争だ』と書いている。実際にはそうではない筈。誰にでも選択肢があると思う。

ロシア人は戦場に行く事を余儀なくされたとしても、そこで女性を襲ったり、民家を銃撃したり、SNSに嬉しそうなコメントを書いたりする事は、誰かに強いられている訳ではないでしょ。

だから私は『ロシアとウクライナの戦争は、あくまでプーチンの戦争なのだ』と言われると、憤りを感じるの」

戦争が終わったら、またロシア人と会話できると思いますか?という問い掛けに対して

オリガ「いいえ。どうコミュニケーションをとればいいの?第二次世界大戦の例を見ると、まあ、三世代くらい後には可能になるかもしれないけど。

でも、私たちの世代も、私たちの子どもの世代も100%無理だと思う。」



平安な日常をを奪われた上、国土を、文化を、命を、人権を蹂躙され続けているウクライナの市井の人々の、ロシア人への憎しみの深さは、私の想像をはるかに超えるものがありました。

それにきっと、同じスラブ民族でありながら、この千年、隣国の大国ロシアによる占領や迫害、民族虐殺を幾度も経験してきたウクライナの人々にとって、ロシア人への不信と憎しみは血肉に脈々と受け継がれている様にも思います。

それでも、私たちは、直接に戦争に加わっていない私たちだけは、

この侵略戦争で心を痛めプーチンやロシアの体制に異議を唱え続けて拘束されたロシア人がいることを覚えていなければいけないと思います。

また、デモクラシーの国でデモクラシーを謳歌しながら暮らしているロシアをルーツに持つ人がいることを忘れてはなりません。

そして、ロシア国内で独裁者に洗脳され盲信し続けるしかない哀れなロシア人がいることを、理解しておかなければなりません。

私たちは、彼等を憎しみの対象に、絶対してはいけないと思います。

このロシアによる侵略戦争は、必ずロシアの敗北に終わらさなければならないし、もしもそうならなければ、ウクライナな被った悲劇は、いずれ世界中の弱国が被る悲劇となるでしょうし、この日本も、いずれ独裁国家、専制国家の武力侵略の餌食となってしまうでしょう。

だから絶対にロシアの敗北で終わらさなければならないと思います。

敗北したロシアは、ウクライナの復興のために、天文学的な賠償を負う事になるでしょう。

それでも、ロシアの心ある人々が、ロシアを平和で人権をなによりも重んじる国家として再建する道も、また、応援しなければなりません。


怨みは怨みしか生み出しません。

協力関係や信頼関係を育むには、許しと救いが欠かせません。


それこそが、戦争当事国でない国家の役割ではないかと思います。そう、私たち日本人が、日本が、本当に行うべき役割ではないかと思います。


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