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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2019年8月24日土曜日

この夏の記憶 その1 猿が出た

今年は梅雨入りが例年にないほどに遅かったですね。気象庁の発表では、近畿地方の梅雨入りは例年より19日遅い6月26日(水)ごろと発表されました。(梅雨明けも例年より3日遅い7月24日(水)ごろと発表されました。)

その梅雨の最中の出来事でした。
我が町北浜町で、何度も猿の目撃報告と注意を促す防災放送が流れました。
そして、あれは7月13日(土)の夕方の事でした。ちょうど小雨降る裏庭の風景を眺めていた家族の目に、裏庭の向こうの西浜川のフェンスの上を器用に伝い歩きしながら北へと進む猿の姿が目に飛び込んできました。家族の「猿が出た」という高揚した叫び声が二階にいた私の耳に届きました。その時、猿を目撃したのは一階にいた家族とウルちゃんでした。ウルちゃんもテレビ台の上に乗って窓に手をかけ立ち見で外を凝視していました。

一本松連中にLINEで一報を書き込むと、すぐにぼーさんから「家の裏の畑の野菜がやられた様子」、またカズヤから「牛谷も出た」と追記の書き込みがありました。
でも私自身、まだ猿は見ておらず、取り残された様な気分でした。

そして翌日、庭で草引きをしていると、また猿が出たとの町内放送があり、ふと見ると同じように掃除をしていたのであろうと見える同じ隣保の一本松連中たかちゅんが川向こうで小学校の方に歩きながら、何やらニコニコしています。見ると小学校の方から市民の通報を受けてパトロールをしていた警官がこちらに向かっていました。その後で、高砂市のの危機管理部の職員もやって来ました。近所のFおっちゃんも自転車に乗って来ました。猿の出没騒動で、不謹慎かもしれませんが、私は野生猿と遭遇するかもしれないという、何というか心がざわめく気持ちになっていました。

たかちゅんと二人で、危機管理部の職員に話を聞くと
ひとつきほど前に牛谷に大人の猿が一頭出没するようになり、しばらくして北脇、西浜を飛び越えて的形町にも出没するようになり、遂に北脇、西浜、そして大塩町に現れたという話でした。
また、猿の捕獲罠ですが、兵庫県には二台しかなく、その罠は先に出没した牛谷と的形に仕掛けているため、北浜町では人間がパトロールするしか今のところ術がないとのことでした。
また、この猿は八家にある森に生息している群れから離れた猿ではないか、ということでした。
Fさんの話では小猿を見たという話もあって、いま追っている離れ猿とは別に親子猿がいるかもしれないという話も出ました。
また猿は、放っておくとどんどん大胆な行動に出ているようで、大塩町の方では民家の軒を強く揺らす悪さをしていたという話も聞きました。

たかちゅんは、私の家の物干し竿を指さして、
「猿がまたフェンスに現れたら、お前がその物干し竿で川に突き落とせばええやんか」と笑いながら指図をします。
「そんなことできるわけないやろ」と言い返すと
「そしたら連中に応援頼めばいいやん」
「そんなんアテにならんやろ、離れてビールでも飲みながらはやしたてるんがオチやん」
と、まあしょうも話を一時してからお開きしました。

その翌日の事です。早朝、庭で水まきをしていると、隣家との境目のブロック塀を伝って猿が目の前に現れました。顔の真っ赤な、立派な野生のニホンザルでした。遂に猿とご対面を果たしたことで、思わず笑ってしまいました。そして猿に向けて放水すると、おずおずと後ろ向きに退場しました。後を追うと、もう姿はありませんでした。

それから、今日まで我が町で猿が再び出没したという話は聞きません。
あの猿はどこかに行ってしまったのか、仲間たちの元に戻っていたらな良いなあと思います。

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