播磨の国ブログ検索

映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2016年11月7日月曜日

「私は、あなたのことを心配している。」この一言が、自殺を思い止まらせるのかも知れない。

私はこれまで、身近で自殺をした人がいないので、残された家族が、親友が、恋人が、そして同級生、同僚、知り合いとして、どんな思いを持つのか、どんな思いをするのか、想像するしかありません。
自責、怒り、悲しみ、虚無、もしかしたら羞恥、冷笑もあるかもしれません。
そしてそれはいつまで続くのか、一時か永遠なのか、弱まるのか強まるのか、想像するだけで苦しくなってきます。

厚生労働省のホームページに「年齢別死因原因(平成21年度)」という統計データがありました。

厚生労働省 - 人口動態統計年報 主要統計表 - 第8表 死因順位(第5位まで)別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii09/deth8.html

「年齢別死因 第1位~第5位の志望者数」と「年齢別死因 第1位~第5位の割合」を表およびグラフ化しました。


次の世代で、自殺率が死亡原因の1位になっていました。愕然する数字です。
15~19歳・・・31.2%
20~24歳・・・49.8%
25~29歳・・・48.8%
30~34歳・・・40.6%
35~39歳・・・31.8歳

最近も、過労が原因と思われる新入社員女性の自殺、そして、いじめが原因と思われる中学生女子の自殺が社会問題となりました。過労自殺、そしていじめ自殺も共通因子があるように思います。それは回り人々の「無関心」です。

先週のニューズウィーク誌には「アメリカにおけるティーンエージャーの自殺」の考察記事が載っていました。アメリカは日本、韓国に次いで若者の自殺率が高い国です。

PRESIDENT Online - 絶望の国 日本は世界一「若者自殺者」を量産している
http://president.jp/articles/-/17058

記事では、
・学校で起こった自殺について子供と話し合ったのに、その後、自殺の予兆のなかった子供が自殺した。
・自殺は伝染する。特に身近な人の追自殺の危険が高まる。
・SNSの普及により、追自殺の危険はさらに広がっている。
と云うように、自殺の感染、自殺の連鎖に警報を鳴らしていました。
しかし、自殺を思い止まった少女の回想もありました。
少女は、自殺の決行日を決めていました。しかし、回りの友人達から「私達は、あなたのことを心配している」と言われた事から、心の苦悩を話す勇気が与えられ、この場合、家族に話をしたことで、自殺を思い止まれたと語っていました。

先週末のNHK週刊ニュース深読みで「どう防ぐ?若者の過労自殺 "会社と社員"のつきあい方」で討論していました。

NHK週刊ニュース深読み - 2016年11月05日放送
http://www.nhk.or.jp/fukayomi/maru/2016/161105.html

弁護士の川人博さんは、仕事に過度に追い立てられた人は、
「仕事の事で頭がいっぱいになり、他のことが全く考えられなくなってしまう。助けを求めることができなくなってしまう。」そして、「仕事の成果が出せないことはすべて自分の責任と思い詰めてしまう」と話されていました。
周りの人が、同僚が、管理者が、仕事の進捗だけでなく、働き手の体調や健康にも注意ができていたならば、自殺は防げたのではないかと苦々しく思います。

いじめ自殺も同じだと思います。
いじめや無視、無関心にされることで、過度に精神が追い込まれ、逃げられなくなってしまうのです。そして、いじめの原因を自分に求めてしまうのだと思います。

「私は、あなたのことを心配している。」
あなたの、私のこの一言が、身近な人の自殺を思い止まらせるのかも知れない。
そして、
身近な人からのこの一言が、あなたの、私の自殺を思い止まらせてくれるかも知れない。
そう希望を持って思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿