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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2014年5月1日木曜日

今こそ「人命」と「安全」のために立つ、国際協力の枠組みが必要です。

最初に、韓国フェリー転覆事故で亡くなられた方々、また遺族の方々に哀悼の意を表します。
事故発生から二週間が過ぎましたが、いまだ90名以上の方が行方不明のままとなっています。とても胸が痛む状況です。
そして今も、多くのダイバーが懸命なる捜索活動を続けておられます。

この事故では、
事故発生時の乗船客の避難誘導が行われなかったこと
乗務員のほとんどが、乗船客を置き去りにして、先に避難してしまったこと
救助活動の初動が遅れたこと
救助活動体制が一本化されず、情報や指示が錯綜して迅速な救助が行われなかったこと
なにより
多くの人命を預かるフェリーが、日常的な積載過重により、人命そして安全を軽視していたこと
が判明しています。

この事故、事件は、日本にとっては「対岸の火事」でしょうか?
日本においても近年、食品や輸送の業種でメニューの虚偽や偽装が明るみになりました。虚偽や偽装は、明らかに人命、安全の軽視です。たとえ虚偽や偽装でなくても、過激な業務が、従事する者を追い込んで、重大な事故、事件を引き起こしています。
それは過度な利益至上主義が招いた犯罪行為です。記憶に新しいのが、
福知山線脱線事故
高速バス居眠り事故
そして
福島原発事故
です。

そして初動の判断ミスが、後々取り返しのつかない事態を招きます。
人命を失うこと
自然を失うこと
信用を、信頼を失うこと
です。

今事故において隣国の国民として残念なのは
地理的に最も近い国であるのに関わらず、日本の救助活動が受け入れられなかったことです。
現在の日韓関係の悪化とか、
韓国の内政の問題であるとか
を問うつもりはありません。
グローバル化の時代といわれて久しいですが、迅速に国際協力できる枠組みがないことに問題を覚えます。もし、国際協力の枠組みがあったとするならば、二国間の軋轢など越えて、内政の問題など越えて、国際救助に迅速に助けを求めることが出来たのではないかと思います。
今、暗礁に乗り上げているTPPの批准を急ぐよりも、近い将来に起こりうる自然災害、重大事故、事件に対して、世界中が協力して、最高、最善の力で迅速に対応できる連携協定、そして枠組みを成すことこそ急がなければならないと思います。

日本は、「人権」と「平和」をテーゼとする国です。そして又日本は、自然災害の多発地帯であり、未曾有の放射能被害を二度も被った国でもあります。21世紀において、日本は、日本人のために、隣国の友人のために、また世界の人々のために、「人命」と「安全」を守る、助ける為に率先して立たなけれならないと思います。
それはまた日本の過去の過ちの、持続的な贖罪となります。
日本の持続的な贖罪は、過去の過ちおける被害者、被害国への継続的な謝罪となります。そして贖罪が「人命」と「安全」に通じるならば、継続的な信頼に繋がります。
これこそが、日本が、日本人が、真っ先に、そして真摯に取り組まなければいけない事案であると思います。

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