播磨の国ブログ検索

映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2012年11月6日火曜日

高校球児の”冬の季節”が始まります。


日曜日、秋季東播・淡路地区親善野球大会から帰ってきた耕太郎に話を聞きました。
津名高4番福谷君との対戦についてです。
野次も歓声も何も聞こえないほどに集中したと言いました。
伊藤捕手はどんどんとインコースのストレートを要求します。耕太郎が何度首を振ってもサインは変わらず、そして投げた。ファウルが続きます。そして最後の一球はアウトコースのストレートのサイン。満を持して投げたストレートはシュート回転し見事に痛打されました。
耕太郎は、このバッターに自分の持ち玉は通じないと感じていました。しかし伊藤捕手は、この大一番で攻めの投球を耕太郎に要求したのです。耕太郎はそれがとても嬉しかったと言いました。
高校に入ってから希望して投手になり、そして大舞台で投げる機会が与えられた。それだけでもとても希少な経験であるのに、有数のバッターと対戦できた。私などスタンドから観ていただけなのに、非常に高揚しました。そして今耕太郎がマウンドから望む景色は、味わっている感動はいかばかりかと、とても羨ましく思いながら見つめていました。
二度目の対戦は9回二死二三塁の場面でした。9-7の二点差です。ここで痛打されれば試合は決してしまいます。そして当然の選択として敬遠策が取られました。私などすでに冷静さを失って、心の中で、もう一回勝負して三振を取れ!と高揚した気持ちで叫んでいました。耕太郎も同じ気持ちであった様です。ですがこの場面で最善と思われる策にしたがったのです。勝負を楽しむのも野球、そして試合を作るのも野球です。耕太郎はこの試合で大変に大きな経験をさせてもらった様でした。

大会が終わった後、畠山監督が二つの事を部員達に話をされました。
一つは、『鉄は熱いうちに打て』です。
松陽ナインは、この晩秋にあってどのチームよりも長くそして濃密に野球を体験しました。そして熱気を帯びた今だからこそ、この体験をしっかりと我が物にして、次に生かすことを求められているのだと思いました。
もう一つは『野球選手である前に高校生であれ』です。
百戦錬磨のチームには、何イニングでも、何試合でも戦い続けるチーム体力が備わっています。
松陽ナインの様に部員数が決して多くないチームでは、全部員がどんどんとさまざまな経験を積み上げてチーム体力を伸ばさなければなりません。その為には、野球をしていない時間も、あらゆる課題に積極的に取り組んで、その取り組みを通じて、体力、知力、持久力、精神力の向上に繋げなければなりません。彼らがもっとも長く時間を過ごし、さまざまな課題が与えられるのは高校生活全般です。だからこそ、野球に向き合う真摯さで高校生活全般に向き合うことを求められたのだと思いました。

冬が始まります。寡黙なトレーニングの始まりです。ですが、春に大輪を咲かす為の、とても大切な時間であります。彼らが一回りも二回りも大きくなって、さらに素晴らしいゲームを堪能させてくれることを、一ファンとして楽しみにしています。

0 件のコメント:

コメントを投稿