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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2011年5月20日金曜日

asahi.comニュースから『超ハイビジョン対応の液晶画像公開 NHKとシャープ』を読んで思った事

asahi.comニュース
2011/5/20 4/:24掲載

記事引用----------
NHKとシャープは19日、次世代テレビ放送の「スーパーハイビジョン」に対応した液晶ディスプレーを初めて開発したと発表した。これまでは映像をスクリーンなどに投影するプロジェクター方式だけだったが、初めて家庭用を想定した液晶画面で実現したという。

NHK放送技術研究所(東京都世田谷区)で公開されたディスプレーは85型(横1.9メートル、縦1.05メートル)。現行のフルハイビジョンの16倍のきめ細やかさで、見ている人が画面に入り込むような臨場感を実現したという。

スーパーハイビジョンは、NHKが2020年の試験放送開始を目指して開発を進めている。画面の精細度を示す画素数は、フルハイビジョンの207万に対し、約3300万。画素を細かくして大画面につくりこむには高い技術が求められるという。

NHK技研は26~29日に一般公開を予定しており、このディスプレーを目玉として展示する。(山村哲史)
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日本では、今年の平成23年7月24日(日)にアナログ放送は停波し完全デジタル放送への切り替えが始まる予定だ。
テレビは、この10年でブラウン管からプラズマ→液晶→有機ELと薄型で省エネ、長期使用できるタイプに移行が進んできた。

ハイビジョン映像化、画面の大型化、音響の高度化、そして3Dテレビも実現した。

それでも尽きぬ物作り精神が、スーパーハイビジョンというコンセプトを生んだのだろう。
でも、それはマスプロダクト重視という、旧態依然の産業重視があらたまっていない、未来の人や社会を中心とした社会システムの再構築、またその為の技術革新とは一致しないと考える。

高密度、高細度が進めば、初期のアナログからデジタルに移行した時にいわれた、アナログ波が持つ微細な特徴をデジタル化では引き継げなかったものが、よりアナログ波の微細な部分までデジタル化し再現できるメリットはある。アナログコンテンツは減衰するが、デジタル化すれば完全コピーに寄って未来への継承がしやすくなるというメリットある。
その有効性は素晴らしいと思う。

しかし、家庭において、それは必要だろうか。
日本人の学力の低下が社会問題化して久しいが、テレビの影響が顕著であると考えいる。そして現在は、携帯電話、パソコン等々しかりだ。
自宅で新聞や読書を楽しむという時間が限りなく減少している。携帯電話、パソコン、そしてテレビさえも普及していなかった時代は、新聞を読んで日常の出来事を知りそして時代の流れを学び、読書によって知識欲、読解力を育んできたのである。

『リテラシー』という単語があるが、日本語でいえば、『どの様に使うか』『使うにあっての守らなければならない規範は』『それによって何を求めるのか』、単純に言い換えれば『使い方』『ルール』『目的』である。
『リテラシー』を私たちは、しっかりと学び、守らねばならない。

国家や大学、NHK放送技術研究所の様な機関、企業が、これまでと何ら変わらず、組織の営利追求とマスプロダクト重視を変えなければ、未来はない、淘汰されてゆくだろう。

それよりも、例えばNHKであれば、ニュース資源の正確性を堅持した入手経路を如何に拡充するか、また、付加価値が高い資産となる映像コンテンツを如何に作り出すか、そこに力点を置いて、一流のメディアを目指して欲しい。

また、個人的な意見であるが、電化メーカーのテレビを売るキャッチコピーとしてホームシアターを標榜しているが、映画大好き人間としては、映画館のあの大空間の中でやはり映画を楽しみたい。その文化の衰退に拍車を掛けるような事は止めて欲しい。

また、映画館ビジネスへも注文したい。新作映画、興行的に成功が見込まれる映画だけを上映するのではなく、様々な作品が観たい。その様なユーザのニーズを汲んで欲しい。
映画館の映写もデジタル化が進んでいる。過去の名画をそのデジタル映写室で、テレビ番組の様に番組スケジュールで単発放映するという事をやってはどうか。過去の名作、地方にいて見られなかった作品、見逃した作品、そういう作品を映画館で見たい。それが、フィルムでなくデジタルデータ化されたデジタル映写機では、これまでのリバイバル上映よりももっと技術的にも簡単にできるのではないか、素人考えである。
著作権や上映権の問題、また技術的にもハードルがあるのかもしれないが、映画館という空間が、かつての様に、毎日、人で賑わう社交場として栄えるために、この様な方策は大変有効ではないかと考えます。

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