播磨の国ブログ検索

映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2019年8月6日火曜日

栄冠は君に輝く

栄冠は君に輝く
副題「夏の全国高等学校野球選手権大会の歌」
加賀大介作詞・古関裕而作曲

雲は湧き 光溢れて
天高く 純白の球 今日ぞ飛ぶ
若人よ いざ
まなじりは 歓呼に応え
潔し 微笑む希望
ああ 栄冠は 君に輝く

風を打ち 大地を蹴りて
悔ゆるなき 白熱の力ぞ技ぞ
若人よ いざ
一球に 一打に 賭けて
青春の 賛歌を綴れ
ああ 栄冠は 君に輝く

空を切る 球の命に
通うもの 美しく匂える健康
若人よ いざ
緑濃き 棕櫚の葉翳す
感激を 目蓋に描け
ああ 栄光は 君に輝く

いつだったかテレビで作曲家古関裕而さんの特集番組がありました。古関裕而さんが作曲された歌の中で私が一番に思い入れがあるのは「長崎の鐘」です。長崎のみならずすべての戦没者への鎮魂が込められた歌だからです。古関さんは、戦中、作曲した戦時歌謡によって戦地に送られ戦死した人々に対する自責の念を持ち続けられていました。
その念いが、戦後に戦没者への鎮魂歌とともに、戦後復興を担う人々への希望や夢の実現を高らかに歌い上げる力強い応援歌を生み出されました。

今年の夏の高校野球は、地方大会を一度観戦しましたが、試合開始までの時間に繰り返し流れる歌「栄冠は君に輝く」には、いつも心が躍ります。
青い空、沸き立つ雲、ギラつく太陽、そして青々とした樹林から時折流れ出る涼風、その下の緑に輝くフィールドでは一戦必勝に燃える選手たちがぬかりなく試合準備に取り組んでいる。スタンドでは、学校の仲間や家族が吹奏楽の演奏や声を張り上げて、フィールドにいる選手に力を注ぎ続けている。

古関さん、作詞の加賀大介さんは、一戦必勝を信じてフィールドで躍動する選手、スタンドで仲間を鼓舞する選手、すべての高校野球選手の上にいま栄冠が輝いているのだと高らかに謳われているのだと思います。

今日から第101回の夏の甲子園大会が始まります。
開会式の中継では、選手宣誓の大役を担う愛知県代表誉高校主将林山侑樹選手の姿を追っていました。主賓挨拶の最中は、何度も口ぱくで宣誓文句を練習していました。その顔には初陣の緊張がありありと見て取れました。そして選手宣誓は、慎重に、言葉を丁寧に句切って発していました。そして、終わった後の安堵に包まれ大きなため息をつく姿が印象的でした。彼はいま栄冠に包まれているのだろうなと微笑ましく思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿