今年6月に世界文化遺産に登録された富士山の登山者数が、昨年比で約35%増加しているそうです。
報道発表:平成25年夏期の富士山登山者数の中間発表について(お知らせ)
http://kanto.env.go.jp/pre_2013/0801a.html
富士山は、日本一の高山で、姿のまことに美しい山です。そして何より比較的安易に登山できる山でもあります。登山ルートが整備され、毎合目に山小屋が設置され、頂上には売店やトイレまであります。
富士山が世界遺産に登録されると登山者数が増加し、それによって環境が悪化するという懸念が当初からありました。そしてそれは現実の問題となりました。
ゴミ問題と登山ルートの荒廃です。
山頂や登山ルートにペットボトルやゴミを包んだ袋が置き去りにされています。
登山ルートは何万人という人に踏み荒らされて荒廃が進みます。
環境の悪化は、世界遺産登録の抹消に繋がります。抹消事態は小さな懸念でしかないですが、富士山の環境悪化は日本人にとって大きな不名誉です。
この環境悪化を抑制するため、高額の入山料金を設けて登山者数を抑制しようという動きがあります。今年初めて実験的に入山料金1000円が任意徴収されました。この料金を幾らまで上げると例年並みの登山者数に抑制できるかが数学者や経済学者の命題となりました。
でも富士山に登ることは、現在でも大概お金が掛かります。
交通費、宿泊代、食事代に加え、登山道具やウェア類の購入費を含めるとうん万円は掛かります。それを押しても富士山に登ろうとする人に、後5000円や1万円を課したところで、不評は買えども抑制に繋がるかは甚だ疑問を覚えます。
また、地元の富士山を日課のようにして登山する人々にも毎回の負担を強いるのかという疑問も湧きます。
今年の入山料金で集まったお金の用途は、今後静岡と山梨の両県で協議するとニュースでありましたが、大きな不備を感じます。入山料金は、目的を絞って、目的を明示して、責任を持って徴収すべきです。そして入山料金は、景観整備やルート整備、そして万一の事故対応費にのみ使われるべきと思います。
現在の環境悪化の抑制、改善の手法は他にあると思います。
一つの提案ですが、
ゴミ問題については、
登山口で持ち込み品の事前申告をし、登山途中においての一切の荷物、ゴミの廃棄を禁止し、降り口で荷物の確認をして、違反者には重い罰金を科す。美しい景観を守る、そしてその景観を楽しむ者へのモラルの意識付けになると同時に、不埒な登山者の排除と、また環境レンジャーの雇用を生むことに繋がると考えます。
同様に入山者数抑制については、
ガイドによる引率の励行です。一人のガイドが適正な人数を引率して登山するのです。
ガイドは資格制、免許制にして取得を奨励し、
ガイドは、登山計画を申告し
引率する登山者の状態に応じて
安全で正しいルートに導き
休憩をとり、
トイレを案内し
下山の絶対的な権限を有して
登山者を頂上に案内し、そして再び降り口へと導くのです。
私たちは、安易さが時に堕落を生むことを知っています。
環境問題しかり、安全問題しかりです。
多少の不便さや困難さがあって、私たちは余念なく準備し、自分と問答しながら取り組み、そして大いなる達成に到達できるのです。
そして達成は感謝を生みます。
私たちはいつまでも、そこにある富士山に感謝しながら、登山を楽しめたらと思います。
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