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映画『オッペンハイマー』を観ました。

”nearly zero(ほぼゼロ)” 先週、映画『オッペンハイマー』を観てきました。期待に違わぬ、クリストファー・ノーランの映画でした。 ノーランは、オッペンハイマーという人物の上昇と転落の物語を通じて、科学者の、もっといえば人間の、探究欲や嫉妬心にはブレーキが利かないという、...

2015年9月30日水曜日

兄が永眠しました。

入院して一週間目に誤嚥の危険性が高まり、以降は一切の固形物の食べ物、そして飲み薬まで口にすることはありませんでした。それでも、それから一週間近くしっかりと意識を持って、見舞いに来てくださった友人や付き添う家族と向き合っていたように思います。
亡くなる三日前から急激に痩せました。肉厚だった手の平も逞しかった腕も、どこもかしこも、肉という肉が脂肪という脂肪が体から失せました。兄は最後、蝋燭の様に体を燃やして命の火を繋いでいたように思います。
そして四日前の午後、両目を見開いたまま体が動かなくなりました。それでも思い出しように途切れ途切れの息を続けていました。兄は一切の延命を望まなかったために、その息だけが、生きている証でありました。
丁度、病室で兄の子供たち四人が兄のある事で笑いが起きていた時だと聞きました。
長女が父(兄)の呼吸が途切れていることに気付いて、大声で父(兄)の名を呼び体をゆすり「息をして!」と呼び掛けたと言います。すると、一度息をしたと言います。
また途切れます。また呼び掛けます。するとまた、一度の息で応えます。
しかしまた途切れます。でもまた呼び掛けます。でも今度は首筋を一度ぴくりと動かしたきりで、再び息で応えてくれることはありませんでした。
兄は兄の子供たち四人とその家族、そして私たち兄弟姉妹四人の見守る前で、
平成27年9月27日日曜日、午後5時55分、永眠しました。

兄の強い希望で、葬儀は家族葬で行いました。
それでも私たちの父を頂点とした、私たち兄弟姉妹、その家族、総勢30名を超える人数が会葬しました。
家のお寺である牛谷は妙泉寺のご住職に神戸まで足を運んで頂き、お経を上げて頂きました。兄は生前無神論者を公言し、死ねば無に返るだけと話していましたが、お経によって十六条戒が与えられ、お釈迦様から続く八十二代目の弟子となり浄土への道を歩む事になりました。
告別式の最後に兄の息子が喪主としてお礼の挨拶を述べてくれました。
病室に足繁く通って頂いた、見舞いに来てくださった父(兄)のご友人の皆様に深い感謝を述べていました。また、父(兄)と一緒に暮らしてはいたものの面と向かって話ができなかったことを話し、でも叔父叔母から昔話などを聞いて少しは埋めることができたと話してくれました。

「皇月晴光信士」
中秋の名月がのぼる日に逝った兄を念じ、ご住職が与えてくださった兄の戒名です。

最後に、
この度は、兄の強い希望から兄の子と私たち兄弟姉妹だけで葬儀を執り行いました。
多大に心配して下さった親戚の皆様や兄の友人知人の皆様には、元気な姿だけを最後の姿として心に留めて欲しいという兄のわがままを聞き入れて頂きました。感謝とともに非礼を深くお詫び致します。
そして、1年と10ヶ月あまり兄を親身になって看てくださった先端医療センター病院の先生、看護師の皆様、本当に有り難うございました。

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