夕方、歩いていますと、ふと坂本九さんの歌『明日があるさ』のメロディが頭の中に流れてきました。この歌、2000年のはじめに吉本お笑い芸人のユニットがカバーして大ヒットしましたね。
実は私、この歌をよく知りません。それで家に戻ってからしっかりと歌を聴き直しました。
『明日があるさ』は、まだまだ自信の乏しい若者(高校生くらいでしょうね)が主人公で、でもその彼が一途に恋をして、恋の成就に向けて一歩一歩前進してゆく。そして、明日には必ず、明日には必ず、と恋の成就を夢見るという、切ないけれど希望が溢れた歌でした。
『上を向いて歩こう』
『見上げてごらん夜の星を』
そして
『明日があるさ』
には、共通した意思を感じます。
どんなに小さき者であっても、そしてたとえ今苦しくとも
明日の幸せのために、精一杯誠実に生きる
これらの歌が生まれた1960年代は、日本が戦後の暗澹たる状態からようやく抜け出し、誰もが明日への希望を見いだし始めた時代だと思います。希望が、我慢を生み、連帯を生み、精一杯努力すること、そして誠実に生きることに私たちを導きました。
現代社会は、曙の時代からは打って変わって、落陽の、もしかしたら奈落の時代に入ったと言えるのかもしれません。そして人々からはどんどんと希望が失われてゆきます。
また悪いことに、希望がないから、夢を見ることができないから、誰もが、目の前に存在するパイの奪い合いに走ります。そしてそのパイもいよいよ腐り、奪って食べたら即死んでしまうという事態に陥りかけているのです。
こんな時代であるからこそ、私たち一人一人が、自分の『価値』を真剣に見出さなければいけないと思います。私たちは誰もが、天から『価値ある命』を授かって生きています。『価値ある命』とは、天命のことです。そして私たち一人一人が、見出した役割、喜びに、ただ素直になって行動すればよいのです。この行動が、再び『希望』や『夢』を育んでくれると信じます。
現在が落陽の時であるならば、これから訪れる夜にしっかり休めばいい、そして夢を見ればいい。そして再び訪れる明日に『希望』や『夢』を抱いて、悠悠と歩み出せたらと思います。
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